最初に虚空あり
淮南子 天文訓 第三巻より
最初に虚空あり、虚空の内に宇宙が生まれる
その宇宙に気が生ずる
気には重さがあり、
軽くて透明なものは高くたなびき天となり
重く濁ったものは沈み固まり大地となる
軽くて透明な気は集まりやすく、重く濁った気は固まるのが遅い
よってまず天が完成し、地は遅れて成った
天の気は集まりて陽気となり、地の気は集まりて陰気となる
この陰陽二精気は団集して春夏秋冬を構成し
そこから散布したる気は万物を作る
陽気だけが結合すると火となり、その火気の純粋たるものが太陽となる
陰気だけが結合すると水になり、その水気の純粋たるものが月となる
更に太陽と月から溢れ出した気は、集まりて星になる
このように気は天地日月星辰山川の自然を構成する要素であり
同時に人間を構成しているものも同じ気である
天の気はそのまま人の気に連続する
自然と人間は同じ気で結ばれており、天人含一の原理に他ならない
※「天文訓」は、BC二世紀頃、前漢の淮南王が学者に編纂させた書物
「淮南子」に書かれているものです。
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