花粉症は気で治る!
花粉症はどうして起こるのか?
◆ 気で花粉症が治った
私には、37年間苦しんできた持病があります。それは、花粉症です。花粉が舞う時期になると、毎年地獄のような苦しみを味わいます。
くしゃみ、鼻水、目や顔のかゆみ、その症状は、年々ひどくなり、最近は睡眠時に左右の鼻が詰まってしまい、それにより、朝まで口で呼吸をするために、喉が十字状に割れて出血するなど、とてもつらい症状が現われるようになったのです。
そのうちに、動悸、息切れ、目まい、頭痛、不眠、肩こり、背中、両腕の痛み、首の痛みも出るようになり、寝てもさめても身体中が痛くてどうしようもありませんでした。
また心臓も不整脈が出るようになり、このまま死んでしまうのではないかと不安になりました。病院も耳鼻咽喉科をはじめ、内科、整形外科、皮膚科、心療内科、精神科など10件ほどの病院で診てもらい、薬も山ほど飲んだ。
しかし、ちっとも良くならない。マッサージ、鍼灸、整体、カイロにも通った。最後の神頼みで、近くの神社でお祓いもしてもらった。霊能者、占い師にもみてもらった。結局のところ何も変わらない。これで万事休す。人生終わりか、と少し弱気になる。
そして、これが最後、わらをもつかむ思いで著名な山崎先生の治療院に飛び込んだ。忘れもしない8月17日のことであった。ベッドに上向きに寝て山崎先生の気の治療を受けた。すると、手の先が熱くなり、その熱さは肘のほうまで伝わってきた。 これは一体なんだろう。
そして、下半身から足の裏まで何かが流れて熱くなってくる。お腹は電気毛布を乗せられているような感覚である。とても暖かくて気持ちがいい。不眠続きで疲れている精神も落ち着いて、うとうと眠くなってきた。ゆったりとした時間が流れる。
初めての体験でとても驚いた。これが気功なのか。凄い。これで自分の病気が治るような気がした。
これだ。決めた。気を素直に受け入れて病気を治そう。そして山崎先生の門下生になる決心をする。先生の治療を受けながら、気の学習を進めることにした。そしてしばらくすると、あれほど苦しんだ花粉症の症状がぴたりと治まった。
その他の症状も全く消えた。ウソッ!信じられない!しかし事実である。気功のすごさにただビックリである。
本当は、気功をあまり信じていなかった。でも、これからは気を信じ、更に気功の学習を続け、山崎先生のような本物の気功師になりたい。 そして、難病に苦しんでいる多くの人たちを助けてあげたい。
最後に、私を助けていただいた山崎先生に心から感謝いたします。
(自営業 山 口 悟 55歳)
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◆体内では何が起きている?
花粉症とひとくちに言っても原因となる花粉は、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなどさまざまな種類が存在します。
このうち2〜4月にかけて発症する、一般的に花粉症と呼ばれるのは<スギ花粉症>というものです。現在では日本人の約6人に1人がこれに悩まされているとも言われます。
症状としては、クシャミ、鼻水や鼻づまり、目のかゆみや充血、涙目といった風邪の初期に近いものが見受けられます。
ではなぜ花粉症が起こるのかといったメカニズムについてお話しましょう。冬の終わりごろになると、スギ林からスギ花粉が飛散します。通常なら花粉は人体に害を及ぼす存在ではないのですが、花粉症の人は、飛散してきた花粉を敵と認識し、過敏なアレルギー反応(抗原抗体反応)を起こすようになるんですね。
まず、スギ花粉症の人の鼻や目の粘膜内にスギ花粉抗原が取り込まれると、鼻のリンパ組織内でスギに対する<IgE抗体>というものが作られます。
これを<スギ特異的IgE抗体>といい、カモガヤやブタクサなどほかの花粉には反応しません。このIgE抗体が鼻粘膜の<肥満細胞>の表面にくっつくことによって、感作(アレルギー発症の準備状態)が成立します。
こうなると脂肪細胞が活性化され、内部にあったヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質が細胞外へ遊離し始めます。
これが花粉症として人体に影響を及ぼすわけです。ヒスタミンというのは、鼻孔内の神経を必要以上に刺激して、くしゃみや鼻水などの症状をひき起こす物質です。ロイコトリエンは鼻孔内の血管に作用して、鼻づまりを発症させます。
また、一連の現象が目の結膜で起こると目のかゆみや充血、涙目などになり、のどの粘膜であればイガイガしたりするわけです。
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◆近年なぜ急増しているの?
花粉症を含むアレルギー性鼻炎の症状は、日本では1960年代の前半から増加し、現在でも患者数は増え続けているとされています。
これにはさまざまな原因が考えられますが、この原因の1つには住宅環境の変化が挙げられると考えられています。
古来の日本家屋というのは木造建築で、風通しがよかったですよね。アレルギーを引き起こす原因には家ダニやハウスダストなどがあげられますが、戦前までの日本家屋では、家ダニが発生しにくい環境だったとされます。
ところが戦後、鉄筋コンクリートなどを主とした気密性の高い家が急増しましたよね。家ダニが室内で増加したことが一因だと考えられています。
これが70年代に入るとスギ花粉症が急増してきました。原因としては花粉飛散量の増加にあります。戦後、建材や治水目的で国有林に植林されたスギが、花粉を多く飛散する樹齢になったためです。
おそらく、それまでもスギ林の近くに住んでいた人の中には花粉症を起こしていた人もいたでしょう。
スギは樹齢30年以上になると花粉生産能力が高くなり、毎年のように花粉を飛ばすようになるわけです。
飛散量はスギの成長とともに年々増大してくるわけで、これが今日の花粉症に至る大きな原因の一つであると考えられています。 |
◆どうすれば軽減できるの?
医師としてすすめているのは薬物療法です。花粉症は季節的なものですから、飛散量の多い時期に薬で症状を抑え込めばいいわけです。
薬にはヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質の遊離自体を抑えるもの、遊離してしまった化学伝達物質に直接作用して症状を和らげるものなどがあります。
また抗原物質はスギ花粉ですから、それを除去、回避することで症状を軽減できます。近年ではスギ花粉情報なども発信されていることですし、飛散量の多い時期には<外出を控える><窓や戸を閉めておく>ことなどが大切でしょう。
やむを得ず外出する場合でも<マスクやメガネを着用>し、花粉がつきやすい<毛織物などの衣類は避ける>といったことで症状を軽減することが出来ます。
根本的な治療をしたいというのであれば<特異的免疫療法(減感作療法)>が効果的です。これはスギ花粉など、原因となっている抗原を体内に少しずつ注射していく療法なんですね。
スギ花粉症であれば、アレルギー症状を起こさない程度の非常に少ない量からスギ花粉のエキスを注入していくわけです。大量に注入してしまうと症状が出てしまいますからね。
特異的免疫療法は現在のところ、アレルギーを根本的に治す唯一の方法で約70%の人に有効であると考えられています。
しかし病院に頻繁に通って注射を受けなければならず治療期間も2〜3年かかるといわれています。
先述したように花粉症は季節的なものですから、気長に治療するという患者さんは少ないですね。
いきなり発症するといわれる花粉症ですが、実は発症する数年前からIgE抗体の値が増加してきているんですね。IgE抗体の量は血液検査で簡単に調べられます。
スギ花粉症の治療では、症状が強くなる前に治療を開始することが大切です。怪しいと思ったらそのサインを見逃さずに、早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
日刊スポーツ 2006年(平成18年)3月2日木曜日 掲載
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