花の美ヶ原  P.7 


樹氷と御岳山
樹氷


山麓の花                                              
 美ヶ原は山麓の花も見事です。 色とりどりのお花畑こそありませんが、白樺や雑木林の中で咲く花にいとおしさを感じます。 雪解けと共に咲き始めるフクジュソウ、水辺で咲くショウジョウバカマやニリンソウなど、早春の花ならではの素朴な美しさです。     
 芽吹きが始まる頃、ウグイスやヒガラのさえずる森の中でヒトリシズカやイカリソウを見かけます。 みずみずしい新緑の中でひときわ新鮮です。                  
 夏から秋にかけてもシデシャジンやセキヤノアキチョウジなどの可愛い花が咲きつづけます。 しかし、信州は内陸気候で花の咲く期間が短く、十月半ばになると咲き残りのノコンギクを見るくらいで、厳しい冬に向かいます。                       


コケモモの実 (苔桃) ツツジ科 8〜9月

 美ヶ原のいたるところに見られる小さな低木で、赤味を帯びた可愛い花を枝先にたくさんつける。 花が終わると甘酸っぱい赤い実がなり、果実酒やジャムなどにつかわれる。                       


 [草丈] 10〜15cm            
 [ 実 ]   5〜7mm            
コケモモ
フクジュソウ (福寿草) キンポウゲ科  
                    4〜5月

 お正月に飾る花としてよく知られている。
 美ヶ原では4〜5月になって咲きはじめ、気温に敏感な花で、朝夕や寒い日は花を閉じている。                  


 [草丈] 15〜20cm            
 [ 花 ]   3〜4cm            
  
フクジュソウ
スミレサイシン (菫細辛) スミレ科    
                    4〜5月

 葉の形がウスバサイシンの葉に似ていることから名づけられた。 スミレの名は、墨入れの意味で、花の形を大工さんが使う墨壷に見立てたもの。              


 [草丈] 15〜20cm            
 [ 花 ]   約15mm            
スミレサイシン
ニリンソウ (二輪草) キンポウゲ科   
                    4〜5月

 一本の茎に二輪の花が咲くので名づけられた。 しかし必ずしも二輪と限らず、一輪も三輪もある。 繁殖力が強く、沢などに群生する。                    


 [草丈] 15〜25cm            
 [ 花 ]   約2cm             
 
ニリンソウ
ショウジョウバカマ (猩々袴) ユリ科   
                     5〜6月

 紅紫色の花を中国の想像上の動物猩々に、放射状に広がった葉を袴にみたて名づけられた。 山麓の水辺や、雪解け水でうるおう美ヶ原の台上で見かける。      


 [草丈] 10〜20cm            
 [ 花 ]   約3cm             
ショウジョウバカマ
ヤマエンゴサク (山延胡索) ケシ科   
                     4〜5月

 山にあるエンゴサクの意味。 登山道の脇や林縁で見かける変わった形の花。 地下に1cmほどのいも(塊茎)があり、根を乾燥して鎮痛剤として用いる。         


 [草丈] 10〜20cm            
 [ 花 ]  15〜20mm           
ヤマエンゴサク
シュンラン (春蘭) ラン科 4月     

 早春、他のランよりも早く咲くことから名づけられた。 日あたりのよい雑木林の中で黄緑色の花を一つつけるが、まれに二個以上つけたものがある。             



 [草丈] 10〜25cm            
 [ 花 ]   約3cm              
シュンラン
ヤマシャクヤク (山芍薬) キンポウゲ科 
                      5月 

 芍は分けへだてなくの意味で、芍薬はあらゆる病に効く薬として使われたと考えられる。 またシャクヤクは古くから美人の形容に使われた。                  


 [草丈] 40〜50cm            
 [ 花 ]  4〜5cm              
ヤマシャクヤク
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