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 山麓の民俗 

      い ろ り ば た

民 俗 行 事
やまべの方言

時空をこえて
山辺歴史民俗資料館



     
心のふるさと

     千手(センゾ)の観音さま

わんだぁ千手の観音さま知ってるずらよ。
古い古い観音さまだで、弘法さまも行脚の途中にお参りしたってこんだ。

そん時、なげぇ道中で先っちょのへったイチョウの杖をお堂の横に挿して代わりの杖ついてたってさ。
そしたら先っぽ挿されたイチョウに根ぇ出て、元のほうから芽が出た。

それだで千手のイチョウは今も枝が下向いて
乳房みてぇな瘤もたれさがってるずら。
千手のイチョウ
弘法さまぁ偉れぇ人だで、あかんぼ生んで乳の出ねぇ女しょがお参りすりゃご利益で乳でるようになる。
あんべぇなくあかんぼは育つ。お礼にあげた地蔵さまがイチョウの根っこに並んでるが、どんどんでかくなるイチョウの木んなかに食いこんじゃったのもある。
そうさなぁ幹の太さは大人6人くれぇでやっと手のとどくくれぇあるずらよ。

お堂の南っ側にゃ「赤木の池」ってのがある。「みなかみは いずくなるらん とうすいじ 赤井の水にうつるほしかげ」なんて古い歌が云いづてになってるで、「赤井の池」っても呼んだずら。

赤木の池にゃこんな話もある。
昔、村の家で人寄せがあるとき、必要な膳やお椀の数を書いて池に浮かせてお願えすりゃぁ、翌朝そのとうりの膳や椀が浮いてた。使ったあたぁ、お礼云ってちゃんとけえしてた。
あるとき、しゃらっこすいやつぁいて借りたまんま家に隠してけえさなんだ。
それからぁ、いっくらお願えしても池に浮いてこなくなったってじ。
お膳やお椀はそれっきり貸してもらえねえが、干ばつんときゃぁこの池掃除してお願ぇすりゃ、きっと雨ふるじ

観音さまのお堂が最初に建たったころ、北の山から、でっけえ狐が降りてきてお堂に住みついたっていね。その狐は毛が真っ白、頭がみっつ、尾は三ぼで、足の丈ぁ七尺もあったってじ。
そこらじゅうのしょうが見にきて、こりゃぁ観音さまのお使いだと云ってたが20年くれぇしてふっといなくなった
どけえ行ったずら。

観音さまにゃぁ不思議な話がいっぺえある。参道にでっけえ、枝振りのいい松があった。
なめぇもついて「尾掛けの松」って呼んで、でえじにしてたが、ある年210日の大かぜでぶっ倒されちゃった。村の衆は悲しんでそのまま片付けなんでた。
千手の観音さま 何年かたって、その木に毎晩「あかり」がともるようになったってせ。
誰も「あかり」をあげる人もねえだで、木の魂が燃えてるずらってことになり「竜宮の灯」って呼んでた。

観音さまのご利益が世間中に知れて、お参りの人で、そりゃぁごったげぇし、旅篭や茶店まで建ったってこんだじ。
参道は混むもんで西から登って東に下るように、あんべえしたってせ。
そんな頃観音堂から火がでて、お堂からなんから、みんな焼けちゃった。

村の衆は寄りええして、建てなおすこんにして、お参りのあんべいいように、今度ぁずっと下の村のへりに建った。
それから後ぁ、村にぁ災いが続いて、大雨が降り裏山が蛇抜けするし、参道が深けえ堀になって下の沢に流れ落っちまった。

村の衆はびっくらこいて、「こりゃぁおらたちが、ずく抜かしたで観音さまが怒ってるだぞ、元に戻さず」って今のとけぇ戻ったってこんだ。
千手のお薬師さま
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      鳥になった子供

      子供が、おっかさまに、まんこして山の畑へ豆まきにいったってせ。おっかさまが豆
      まいてるで、子供は畑のあぜで花とったり、木の枝折ったりしてたが、知らねまに、
      めった山ん中いへえっちまった。
      やとこさ気がついて、もと来たほうえ、けえらっとっとするが、よけえに迷よっちまった。
      せつなくなって子供は「かっか−、かっか−」って泣きめっこかいた。むげえことに子
      供はけえれなくなって「かっか−、かっか−」泣きながら鳥になっちまった。今も山奥
      で「かっこう、かっこう」ってないてるじ。

      見こし入道
      見こし入道ってやつがいたってせ。そいつ見てると、そいつの背いがどんどん、でか
      くなってった。もっと見てりゃ天にとどくくれぇになった。「えれぇ高いなぁ」って、のけ
      ぞってってると見てるやつの、のどぼとけに食らいつくだってせ。そんだで、見こし入
      道ってわかったら、のけぞっちゃいけね。はんたいに下見にゃならね。そうしらゃ、見
      こし入道の野郎、じょんに、じょんに小さくなって、豆つぶくれぇになって、どっかえ逃
      げてっちまうだ。

       むじなのいたずら
      太郎さんとこは、むらはずれで、うちの裏にゃでけえ小柿の木があって、小柿がどさ
      まくなった。
      ある晩、太郎さが寝床にへって、うとうとしてたら、裏の板戸をどんどん叩いて「太郎
      さ、太郎さ」って呼ぶやつぁいた。太郎さは目えさまして、眠い目えこすりながら、戸
      あけて見たが誰もいねぇ。
      「なんだ、夢か」って一人ごと言って、また布団にもぐりこんで、うとうとしたら、板戸
      がどんどん鳴って「太郎さ、太郎さ」って呼んでる。こんだ布団に座って、じっと聞き
      耳たってみりゃ、たしか「太郎さ」って呼んでる。しょうがねえ、起きてって、そとのけ
      みやまで行ってみたが、やっばぁ誰もいねぇ。
      やっとこさ「むじなのいたずら」って気がついて、太郎さはぶつぶつ言いながら寝ち
      まった。
      よく朝、裏い行ってみたら、小柿の木の下い、小柿がいっぺえおってた。やっぱあむ
      じなのいたずらだったずらよ。
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       ゴトゴトのめくら蛇
      あっこの谷のおくにゴトゴトってとこあってな。岩やら石やら、ごろごろ積み重なってる
      ぞ。そん中通って村のしょうは草刈りや桑むぎに行ったもんだ。いっくら朝早く行ったっ
      て、そこんとこは朝日があたってた。そして石の上で日なたぼっこしてるでっけえ蛇を
      よく見たもんだ。
      天びん棒より長くて、目が白いもんで、みんな「ゴトゴトのめくら蛇」って呼んでた。
      あるとき、物好きなやつが、朝一番にゴトゴトい登ってったら、めくら蛇が日なたぼっこ
      してた。「よし、つかめてやらず」って、せえたの縄もって寄ってったら、蛇は気ぃついて
      ずるずる岩のええだに、へえりかけた。逃がさずかって尻尾もって、ありったけしっぱっ
      たが蛇のほうは命がけだで岩のええだい、へっちまった。
      それっきり蛇の姿みねえし、半年のいとに引っ張りっこしたやつと、かかさ死んじまった
      目ぇ見えねえもんに、むげぇことしただで「蛇のたたりずら」って村のしょうは言ってた。
       延命地蔵
      山辺に延命地蔵尊を祀ってる家がある。昔、この家ぃ高野山から三功行者山田瑞雲
      ってえれぇ坊さまが、信濃行脚の途中に寄った。3月28日、みぞれが降る夕方で、ぐ
      しょ濡れだった。
      ここの家にゃ、ばばさと、かかさと、子どもばっかで住んでたが、坊さまの難儀みて、
      一晩泊めてやった。
      翌朝、坊さまぁ、礼いいながら、家のもんに石ぃ拾ってこいって云った。坊さまぁ拾って
      きた石い魂入れして、「困ったことあったら、この石いお伺いたてろ」ってそいって立ち
      去った。
      それから、困ったときにゃお伺いたってたが、願いを聞いてもらえるときゃ、石が軽く持
      ち上がった。無理なことお願いすりゃ、おもくて、てしこにいかなんだ。
      この家じゃ今も延命地蔵尊って言って祀ってるじ。
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兎の吸い物
これは「新三河風土記」ちゅう本にある、ほんとの話ってこんだ。

徳川家康のご先祖さまに有親ちゅう武士がいた。
或とき信州を訪れた有親は、めえに足利持氏の側近として、一緒に仕えた林藤助光政ちゅう武士が持氏の勘にさわって、郷里の山辺に蟄居してるのを思い出した。

折から年の暮れ、大雪の中、有親はごんぞ履いた、てきねえ足をひきずりながらやっとこさ藤助の家いたどり着いた。
はあるかぶりに行き会ったもんだで、いい大人が、なきめっこで大喜びしたが、藤助んとこにゃ、せっかくの客をもてなすもんが何もねえ。

そんだもんだで、藤助は弓矢をもって外い出たが、こんな大雪だで小鳥一羽もいりゃしねえ。
しょうがねえ、しょげて、けえりかけると、兎が一羽、田の畔え飛び出してきたのを
藤助は弓の名人だで、あんべよく射とめた。

この日は陰暦の12月29日で、あくる日にゃ永享12年元旦だった。よっぴて話し込んだ上、正月の馳走に兎の吸い物つくって有親をもてなした。
こんとき、有親の子、親氏も一緒についてきてたが、のちに親氏は松平家の祖となって藤助は、これに仕えた。

松平家が徳川家になっても藤助の子孫は仕えて、戦じゃえれえ働きしたってこんだ。
徳川家じゃ、雪ん中で出してもらった「兎の吸物」の暖ったけえ心を忘れねように、毎年元旦は兎の吸物を例とするし、藤助の林家じゃ12月29日までにゃ兎を献上したってこんだ。

藤助の子孫は大名にとり立てられ、その子孫は今も東京にいるってこんだ。
「をりにあへば千代の例になりにけり雪の林に得たる兎も」って徳川家の年中行事の歌合せに詠まれてるってじ。
そんで、藤助が兎を射止めたとこにゃ「兎田」って名がついて免租になってて、いつからか知らねが「兎田旧跡」って碑が建ってるじ。
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木食山居上人
「懺悔せば心の罪は消えうせて菩薩も同じ心なりけり」 山居

木食山居は、明暦元年に山辺の新井ってとこで生まれた。
木食ってのは、坊さまが草や木の実だけ食べて修行するこった。

山居は13歳んとき、子守りしてた3歳の女ん子を、あやまって井戸に落として死なせちまった。
申し訳ねえって、てめえも死なっとしたとこ、清水の念来寺の明阿空幻上人に救われて、弟子んなって仏門にへった。

木食僧んなって、山ん中の谷や洞窟なんかでいっしょ懸命念仏唱えて修行しながら、死なせちゃった子の供養と、助けてくれた明阿上人のため、たあんと一刀彫りの仏像を刻んだ。

仏像い魂入れして、布教や托鉢んとき、信者に呉れたで、調べて見たら山辺にゃ15体あるじ。裏に「千之内空幻和尚之為也」って刻んである。

遊行僧んなって、あっちこっち巡って、北信濃で三重の塔や観音堂を建った。
大町にも三重の塔、経蔵を建ったじ。
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海岸寺の埋蔵金
桐原の海岸寺は真言宗の古くて、でっけえ寺だったが、今じゃお堂がひとつ残ってるだけだ。そんでも県宝の「千手観音」が祀られてるし、近所から鎌倉時代の経筒や刀子が出てるだで、てえしたもんだ。

この寺の中堂(里寺)を取り壊わすとき古い書きもんが出たってこんだ。
「朝日さす、夕日輝く物の成る木、大判小判三千両」ってあったってが、役人しょうは、みんなに内緒にした。

だが、だんだん知れて一攫千金の山師が宝探しを、おっぱじめたもんで、あたりゃ穴だらけ、えれえこんせ。
或るときゃ、中堂の庭のイチョウの根っこにある、でっけえ百万遍供養塔まで、ひっ倒され、台石の下ぁほじくりけえされたこたぁあるじ。

だが宝もん見つけたって話しぁ聞かねえ。
もっとも見つけりゃ、黙ってるってもんずらがね。百万遍供養塔の下ほじっくりかえされたときにゃ、そっこに直径25センチ深さ30センチくれえの穴あったってで、そんとき持ってかれちまったかね。

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                    扉石
松本から小県郡和田村にぬける石器時代からの道がある。
車のねえじぶんにゃ、すすき川のふちを、どんどん登ってって、三次郎(三城)原に出た。そっからジイガ(陣ケ)坂を登ってって、茶臼山の横っちょ越えて和田へ下ったもんだ。
石器時代からの道だっちゅうのは、この道通って黒曜石運ばれたなぁ確かなこんだでな。

その茶臼山から、ちょっとばか和田へ下ったとこに、戸を2枚合わせたような、でっけえ岩が立ってて、昔っから扉石って呼んでる。

この岩は大昔、高天原ってとこで世の中照らしてた天照大神が、意地まげて天岩戸んなかい隠れちまった。そんであたりは真っ暗。困りきってみんなが天岩戸を押したり引いたりするが、びくともしねえ。

そこで、みんなは、うめえこと考げえた。
天岩戸のめえでで、酒盛りおっぱじめて、歌ったり、踊ったり面白おかしく騒ぎたった。
真っ暗やみで、みんな、しょげけえってるずらと思ってた天照大神は、不思議に思って岩戸をちょっとばか開けて、外を見らっとした。

そんとき、手力男命って力自慢の神さまが、隙間に手つっこんで力いっぱい開けた。
その勢いで岩戸は空を飛んだ。ふんとは、二度と世の中暗くならねえように、信濃の戸隠まで飛ばして隠すつもりだった。
ちょっとばか、加減しちまったもんだで、途中で落っちまっただね。

ペ−ジ先頭
                   河童のお礼
昔ぁすすき川にも河童が住んでた。

あるとき大雨ですすき川が大荒れんなった。橋は流れちゃうし、堤防はきっかくし、えれえ剣幕だ。
でけえ岩だって、雷みてえな地響きたって流れるだで、村んしょうはおっかなびっくり遠くから見てた。

そん時、上の方から誰か流されてくるじゃねえか。だが自分が流されりゃやあだで助けらっとするもんがいねぇ。
そしたら南方の人が、三尺ほどきながら、とんでって先っちょに石しばって、流れてくる人にパッと投げた。

助けて見りゃ、おどけるじゃねえか、そいつは河童だ。
河童は「面目ねえ、河童の川流れになっちまった。お礼におめえさまの家がずっと困らねえように、いいこと教えてやる」ってって目のゴミ出す秘法をおせた。

なんしろ、目んとこえ布っきれ当ててサッと何かしたともったら、どんなでっけえゴミ
だって取っちまった。或ときゃ目から芽の出た麦が出たって聞いたじ。

そこの家じゃ代々女しょの、秘伝になってて、えれえ繁盛してた。おらが知ってる
ばあさまは昭和20年ころまでやってたが、跡つぎがなくて、それっきりになっちまったな。

ペ−ジ先頭

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あい はい(返事) あてこすり あてつけ。皮肉
あいく 歩く あてげずっぽ いいかげんなこと
あいさ あいだ あてずっぽ 同上
あおらあおら やる気のない様子 あとふき ご苦労よび
あかうま あに 若い男に呼びかけ言葉
上がりはな 上がりかまち あねっこ 姉。女性に呼びかけ言葉
あく 石灰。灰汁。山菜のあく あばな さようなら
あくされる ふざける あま(あまっこ) 女の子を馬鹿にして呼ぶ
あくてえ(あく) 悪口雑言 あもちゃ 雨だれ
あしがっこ 石けり遊び ありったけ 有るだけ
あしがらかく 足を相手の足にかけ倒す あれ 一時的な風雪
あずみき あぐら あれいし 山で木材を落とす道
あだける あらびる あんじゃねえ 心配はいらない
あだじゃねえ 容易でない あんね 姉。年下の女を呼ぶ
あだなし しかえし あんねえ あのねえ(呼びかけ)
あっこ(あっこげ) かかと あんべえ 按配。具合
あつれる 人にたのむ あんまてんこ 肩車
    い ペ−ジ先頭 方言索引
いい 農業の労務交換 いずみき わら製のゆりかご
いいからかん いいかげん いせむ ねたむ
いいだくれ 勝手な言い分 いそす 石うす
いかっか 行こうか いたって 特に。最も
いかず(い) 行く いちゃつく あわてる。いちゃいちゃ
いかずか 行こうか。行くもんか いつ あたり
いき 雪。湯気。呼吸 いっこねえ いるはずがない
いきなり 急に いっぷうりゅう 一こく
いきばかま 雪袴 いと うち(例 そのいと)
いきましょ 行きましょう いびる もてあそぶ。いじめる
いけねえ 食べられない いぶる(す) 煙る(煙らす)
いこる 怒る いぼつり すねる
いごく 動く いやしび 焚き火
いごじ いやみ。自分勝手 いらざらねえ 余計なおせっかい
いざる ざる いわすけ 言わない
いじる いじめる。もてあそぶ いんね いいえ
いじれる いら立つ
     う ペ−ジ先頭 方言索引
うっつかる 寄りかかる うらっぽ 先端
うっつい 美しい うんと 沢山
うってげえし 口答え うんずら お前達
うでる ゆでる うんにゃ いいえ
うとんぼ 中空 うんぶ 背負う
うばる(うんばる) 背負われる
     
ええ(ええっこ) いいと同じ えっかん よほど
ええて 相手 えっぽど 同上
ええさ あいだ えべすさま 恵比寿さま
ええす あやす えべや 行こう
ええそ 愛想 えんざ 柿などのへた
えせむ ねたむ えんちょ (幼児が)すわる
えっからかん いいかげん
      ペ−ジ先頭 方言索引
おいべっさま 恵比寿さま おたんちん 間抜け
おおじょこいた 難儀した おちょくる 野次る
おおふ 気前よい おちょんき 生意気
おかた 女房 おちょべたれる ご機嫌取りを言う
おかたしけねえ ありがとう おっつけ その内
おかっさま 女房 おってな 一昨日
おからこ 人形 おつかれでござんす 今晩は
おかんだち おでえさま 金持ち
おくらぶちええて 言いたい放題 おてんたら お世辞
おくらぶちたたく 同上 おととっとき 大事なとき使う品物
おこびり お小昼(間食) おとのり 肩車
おごっつお ごちそう おはるか 久しぶり
おこりばち おこりんぼ おんじょこく 泣き言を言う
おこる 怒る。炭火が燃える おべんこう 利発
おしかけ 炊事の用意 おめってえ 億劫
おしげなし 無遠慮 おもり 仏に供えるだんご
おしゃらかす ひやかす おもる 人におごること
おしょる 折る おらとこ 俺の家
おしょっさま ご馳走さま おらほう 俺の方
おぞい 悪い おろぬき 間引き
おぜえ 同上 おばる 背負われる
おだてもっこ おだてる
おたんこなす 間抜け
ペ−ジ先頭 方言索引
     
かあちゃくる ごまかす かっさび 板鍬
かう 間にはさむ かち 左利き
かかあがる 格が上がる かちに 山仕事の帰り荷
かかさ 女房 かてる 仲間に入れる
かじかむ こごえる かてえる 飢える
かしょる かばう かに 勘弁
かしゃっぱ 枯葉 かぶつ
かずける ・・・のせいにする かまいたち 口が開いて血の出ない傷
かたいれ 頑固 かまう 苛める
かたっこ 同上 かわりばんこ 交替
があた 周囲 がんまく 大きな構え
がった 腕白
     き ペ−ジ先頭 方言索引
きづけえ 気遣い。気がね きぶっせ 気むずかしい
きのうな 昨日 ぎっちくならねえ 動きがとれない
きびしょ 急須 きんこ 繭玉
     く
くいぞう 杭棒 くでえ くどい
くぎぞう 同上 くど
くくむ 含む くねっぽい 大人っぽい
ぐざる 叱る。子供が泣く くぼったみ くぼ地
くぜる さえずる くらす(くらせる) 殴る
ぐぜる 子供がぐずつく くりや 下さい
くちい 満腹 くりょ 同上
くっばってえ くすぐったい くるみ
くつばす くすぐる くれ 土のかたまり
     け ペ−ジ先頭 方言索引
げえがねえ 無駄 けつかる ・・・している
けえくれ すばやく けつまづく つまづく
けえど 街道 けなりい うらやましい
けごや(けみや) 納屋。物置小屋 けぶってえ 煙い。付き合いにくい
けしゃげる 蹴上げる けんども けれども
げす 下肥
     こ
ごいそ 牛馬飼料の切りわら こてされねえ たまらない
ごうがわく 腹が立つ こてっぱやい 手早い
ごうさわく 同上 こなす 悪口を言う。終わらす
こき(こく) 言う このがる かがむ
こきゃがる 言いやがる こびり(こびる) 間食。お小昼
ごきずれ 口角が割れだれる こもっつるし 戸を開けっ放し
こぎる 値切る ごんじょ 聞きわけない
こく 叩く ごんぞう わらぐつ
こぐる くぐる こんぼこ 赤ん坊
こずく 細々働く気力
こずむ 沈殿する。見えなくなる
     さ ペ−ジ先頭 方言索引
さかる 混雑する さぶい 寒い
・・・さし ・・・しなさい ・・・さら ・・・と共に。・・・と一緒に
さっくべる 炉に薪をさし入れる さんげえし 竹馬
ささくれ ひっかき傷 さんざ 充分
ささらほうさ 全く駄目な状態 さんし 産婦
さばく 破る ・・・さんし ・・・して下さい
     し
・・・じ 接尾語。・・・です じぶり 長雨
じき すぐ しゃらごうさわく 腹が立つ
しきの 米蒸しの敷き布 ・・・じゃん ・・・ですね
じくたみ 湿地 じょける ふざける
・・・しけえ ・・・次第 しょぜぇがねえ 手持ちぶさた
しげる 奨める しょっかめる 捕まえる
しっこしかなわねえ 役にたたない しょびしょび 水っぽい様子
しこたま 沢山 しょまむ 掴む
しこる 閉じこもる じょうり 草履
じっさ 爺さん じょうる 料理する。いじめる
しった しわしわさみい 寒さが身にしみる
しとっきり しばらく しんのぶい 図太い
しどろっこい まぶしい しんびきする ためらう
・・・しな ・・・しながら
      ペ−ジ先頭 方言索引
・・・ず(・・・ずい) 接尾語。・・・しよう すっこく しごき取る
すいの 麺類をすくう道具 ずで 全く
・・すか(・・ずか) 接尾語。・・・しよう すてっぽかす 放っておく
ずくがある まめに働く すべ 藁をすぐった屑
ずくなし 怠け者 すめる 理解する
ずくし 熟柿 ・・ずら(・・ずろ) ・・だろう
・・すけ(・・ずけ) 否定語。・・ない ずるい 遅い
     せ
せいた(せえた) 背負子 せなかあて 藁製の背負い袋
せえつぎ 踏み台 せびる ねだる
せたっこあてる 人の欠点をあげつらう せわしねえ 落ち着きがない
せっこういい よく働く せんげ 用水路
せつねえ 悲しい せんしょ 得にならないことをやる
せっぺせっぺ 息せき切って せんぜえ 野菜
     そ ペ−ジ先頭 方言索引
そうせ そうです ぞぜえる 甘える
そうだいね 同上 そっくら そのまま
そうだんね 同上 ぞっけねえ 無愛想
そうやく 草取り。手入れ そのいと その内
そくせえ 気力。意欲 それさら そのまま
そくらかう 入れ知恵する そんなら それなら
     
たあくらたあ まぬけ。ばかもの たしねえ 足りない
だいどこ 台所。土間 たっぺ 前例
・・・だいな ・・・だね ・・・だで ・・・だから
たいてのこらさ 問題にならない たばこり 煙草入れ
だくな ろくでなし ・・・だんね ・・・ですよ
たくる めくり揚げる だんま お手玉
      ペ−ジ先頭 方言索引
ちぼ 幼児 ちょびちょび ちょこちょこ
ちゃっと 急いで。早く ちょうらかす からかう
ちょうきゅう 丁度 ちんがらかく 片足跳び
ちょうす 赤子をあやす ちゃんこ (幼児が)座る
     つ
つきや 土間 つみっかく つねる
つっからかす 突き倒す づみ ぐみ
つったけ 身丈一ぱい つめる 戸を閉める
つとっこ 藁ずと。ふくらはぎ。昴星 つよ
つねぎ 普段着 ・・つら(・・づら) ・・だろう
つぼあし 素足 ・・づらよ ・・だろうよ
つぼにわ 木石を配した庭 つんもる (雪など)足が深くめりこむ
つぶっくり 水中にもぐる
つべてえ 冷たい
      ペ−ジ先頭 方言索引
てきねえ 疲れた てんこもり 山盛り
てしこにいかね 手に負えない てっぴね 頂上。てっぺん
てどから 自業自得 でほうけ でまかせ。言いたい放題
でえどこ 台所 てぼっけなし 考えなし。うかつ
てっきん 頂上。てっぺん てまぜえ 仕事の邪魔
てっこう 横車を押す てんづけ いきなり。急に
てっこもり 山盛り
     と ペ−ジ先頭 方言索引
とあおり 唐箕 とうねっこ 生まれたばかりの子馬
とうし 終始 とぶ 走る
とうじる 湯がく とびっくら 競走
どけえ 何処え とまぐち 入り口
どさまく どっさり ども 白癬
どじる すねて泣く。ごねる どやす 強く殴る
どっか 何処か とよ
とっつかめる つかまえる どんこ 実の入り過ぎた野菜
どっとしねえ 感心しない どんねだ どんな様子か
とっぱな 突端。最初 どんびき 殿さまがえる
どうづく 殴る どんぶら 水溜り
どうで とてつもない とんまあす 裏返す
となか 田や畑のまんなか
      ペ−ジ先頭 方言索引
なから だいたい なりえ 成り行き次第
ながっちり 長居 なりずもく 果物。果物の木
なきめっこ 泣き顔 なる 野菜の支柱
なきびそ 泣き虫 なんかもん いたずら小僧
なせ 平。ゆるやか なんせ なにしろ
     
にかけ 煮こみうどん にご(にほ) 円錐形につんだ藁
にかっこ 生まれたばかりの赤子 にごい 匂い
にがむ 握る。掴む
     
ぬるまっこい 生ぬるい
     ね ペ−ジ先頭 方言索引
ねえる 煮える。眠る ねそっける 寝そこなう
ねえずけ まだ蒸れない飯 ねっきり そっくり。根こそぎ
ねぐさい 漬かりすぎた匂い ねっこんずり 同上
ねこ 大型の藁むしろ ねぶる なめる
ねこのしっぽ 末子
     
のす (そばなどを)のばす ののこ 綿入れ着物
のっぷせる 上から押さえつける のぶい 図太い
のて なまけもの
      ペ−ジ先頭 方言索引
はあるか 長い間。しばらく はっつけぶっつけ 頭の鉢合わせ
はい はづな 手綱
はええ 早い はっぱ
はかいく 能率があがる ばばさ お婆さま
はぎる 竹箕で穀物のゴミを除く はあて 少量の雪降り
はくしょ くしゃみ はでんき 派手ごのみ
はしはし てきぱき はなから 初めから
はしゃばしゃ さっぱり はなる 始まる
はしっけえ すばやい はねる 始める
はすい 利巧。気が利く はば 土手。畔
はぜ 派手。稲架 ばらざくれ 刺などの掻き傷
はちゃがる 木へ登る はりえ 張り合い
はっつける 叩く
      ペ−ジ先頭 方言索引
ひいて 一日中 ひとっきら 一時
ひきる 蚕の上蔟 ひとけえ 一食
びしょねえ きたない ひなたくせえ 生ぬるい湯
ひすびる 干からびる ひね 古い
ひだりっかち 左利き ひののき 日中
びちゃる 捨てる ひぼ
びっちょ 女の子 びり 一番後
ひてえぐち びりっけつ 同上
ひどろっこい まぶしい
     ふ
ぶきっちよ 不器用 ふんと ほんと
ぶすっつら 仏頂面 ぶんどいろ 皮膚の暗紫色
ぶちかる 倒れる ぶんのこ うなじ。能力
ぶっそねえ 無愛想 ぶんのこだま 同上
ぶに 分け前分
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へえ 最早。蝿 へぼうり うらなりの瓜
べえた 丸太棒 べんこう ませている。幼児の利発
へたばる 疲れ果てる べんぞうかく 幼児が泣出しそうになる
へたすりゃ 悪くすると へんなし つまらぬこと。無分別
へつる 上前をとる。削り取る ぺんぺこ 三味線
へぼい 弱い。劣る
     
ほかす ほぐして広げる ほうとう 七夕に供える太い麺
・・・ほうけ ・・・放題 ほどける 解ける
ほきだす 吐き出す ほとばす 水に漬ける
ほけだす 芽が出初める。色気づく ぼぼ 柳の花
ほしょる 折る ぼや 粗朶
ほぞ ほんまち へそくり
     ま ペ−ジ先頭 方言索引
まくる 追う。捲くりあげる まてえ 丁寧
まくしおとす 転がし落とす まねっくり 頭をつけたとんぼ返り
・・・ましょ ・・・しなさい ままやく どもる
ましょくにあわねえ 割に合わない まみえ
ましらましら 怪訝そうに。しげしげと まる (大小便を)する
ませ 限度。柵 まるける 束ねる
ませんぼう 家畜小屋入り口の止棒 まんが 千刃こき(脱穀道具)
まだらっこい やきもきする まんこ(まんよ) 背負う
まちげえ 間違い まんま 其の侭。ご飯
まつめる 可愛がる
     み
みぐせえ みっともない みそっちょ みそさざい
みご 藁のしん みそて みぞれ
みさけえ 見境 みてくり 外見
みじゃける 細か砕ける みみこすり 当てこすり
みじょくねえ だらしない みやましい きちっとしている。よく働く
      む ペ−ジ先頭 方言索引
むいから 麦藁 むす そっと隠しておく
むげえ むごい むせっけ 乱暴
     め
めそめそごろ 夕暮れ時 めえる 見える。燃える
めた むやみやたら めんこ(めんぱ) 曲物の弁当箱
めっこじき 眼病の「ものもらい」 めえど 毎度
めのこ 目測
     も
もえさっくり 燃えさしの薪 もってえぶる 勿体ぶる
もぞっけえ むずかゆい ももっか 化け物。むささび
もたれる 飽食する もうらしい 可愛そう
もちゃすび 玩具 もうら もぐら
もっけがお 呆れ顔
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やいやい おいおい(呼びかけ) やだじ いやだ
やえっこ 重複 やだっこ 駄々っ子
やぎり 性急 やっくり わざと
やぐせえ 木綿の燃える臭気 やっけえ 厄介
やこい 柔らかい やぶせってえ うっとうしい
やだゆう 駄々をこねる
    ゆ
ゆんべ(な) 昨夜 ゆるり 囲炉裏
ゆき よき。薪割り ゆうしょ 由緒。親類
    よ
よさず 止めよう ようめし 夕飯
よっこ 余分 よりええ 集会
よっぴて 一晩中 よろげる 穀物とごみを選り分ける
ようなべ 夜仕事 よろぶ 傾く
    
らっくらする 身心とも楽になる
    
りんりき 人力車
    ろ
ろくったま ろくに ろくなこたねえ 良いことがない
    
・・・んね ・・・ですよ
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