民俗行事

コトヨ−カ

厄病神を追い払う行事。
コトは祭りとか斎事の意味、ヨ−カは2月と12月の8日。
この日、厄病神がやってくるのを村に入らないよう呪い行事をする。
松本市入山辺厩所で二月八日の早朝、木戸先で籾殻、唐辛子、毛髪などをいぶす
また、ついた餅を道祖神へ塗りつけたり、供える。
他人より早く塗りつけると、早くお嫁にいけるという。
午後になると、藁をもって公民館に集まりツクリモノをする。
ツクリモノは貧乏神に見立てたジジ・ババの藁人形を乗せた藁馬で、馬は体長二米、高さ一・五米ほどである。
ツクリモノが完成すると、車座になり鉦を叩きながら念仏を唱える。
鉦を叩く木槌には文久二年(1862)と書かれている。
念仏が終わると「ビンボ―ガミ追い出せ、ビンボ−ガミ送り出せ」と囃しながら、藁馬を薄川の河原に曳いていく。
河原につくと、再び車座で念仏を唱える。
念仏が終わると藁馬に火をつけ、ふり返らず一目散で公民館に逃げかえる。
ふり返れば、追い払った厄がついてくるという。
戦前は、サンクロ−やビンボ−ガミは子供がおこなった。
簡単な馬で、脚は丸太棒であった。馬の背中には片方に男の履物としてワラジ、片方に女の履物としてゾウリが乗せられた。当時は村境まで送り出し沢底に落とし捨てた。
老人クラブが行うようになってジジ・ババを乗せるようになり、立派な馬が作られるようになった。
かって小さな藁馬をつくり、左右に二個ずつ餅を入れた藁づとを背負わせ、道祖神まで曳いて行った。二個は道祖神に塗りつけ、二個は持ちかえり、風邪をひかないよう、虫歯にならないよう食べた。今、小さな藁馬は作られない。

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