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エコツ−リズム

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自 然 を 友 に


「松本の魅力」探って議論
                       
12/2/17信濃毎日新聞

 

美ヶ原高原を見上げる三城牧場で、指差して現地説明する私。

全国エコツ−リズム松本大会

   〜環境と観光の調和〜
平成12年2月11日、12日
エコツ−リズムとは
1 自然・歴史・文化など地域固有の資源を生かした観光を成立させること
2 観光によってそれらの資源が損なわれることがないよう、適切な管理に基づく保   護・保全を図ること
3 地域資源の健全な存続による地域経済への波及効果が実現すること
大会趣旨
21世紀に向けた松本・北アルプス地域の広域的観光の推進対策として観光政策や戦略を改めて問い直すとともに、自然資源や文化歴史資源の有効かつ持続的な利用を図り、観光を中心とした地域振興に知恵を出し合い学びながら、次世代の観光を創造することを目的とします
(以上大会実行委員会)  松本エコツ−リズム都市宣言が採択されました。
以下、主催に加わった信濃毎日新聞の特集を拾い読みでお知らせします。
ノンフィクション作家 山根一真氏の基調講演 
1972年ころアマゾンで乾燥地帯の人々に農地を与えるため大規模な開発が行われた。このプロジェクトは農産物の輸送コストがかかりすぎて失敗した。
人間は自然と闘うのを尊いとする考えがある。しかし80年代半ばから状況が変わった。92年開発と環境に関するサミットで自然環境を護りながら、産業を起して貧しい人たちの生きる道を探した。  
96年アマゾンの人々が環境を護りながら生きる道を外部の人を交え議論することを提案し2日間シンボジュウムの司会をした。その席でアマゾンのエコツ−リズムについて初めて議論した。
日本のアマゾンといわれる西表島はすばらしい場所であるが、イリオモテヤマネコは約30頭が交通事故で死に、約100頭しかいない。年間30数万人訪れる観光客の多くは3時間程度の滞在で帰ってしまう。ごみはヤマネコが通る谷間に捨てられている                          
自然が大事と言いながらあちこちで自然を壊している。ヤマネコが減っている。ヒュ−マンな感情だけでなく、科学や技術、システムが必要である。エコツ−リズムでそれができる。北アルプスを控える松本で、自然にダメ−ジを与えないエコツ−リズムのケ−ススタディをつくってほしい。
西表島エコツ−りズム協会会長 平良彰健氏
1996年5月に西表島エコツ−リズムガイドブックができ、ダイビングショップ・土産物店・無農薬生産者など28人で協会を発足した。エコツア−はカヌ−で自然に入り、間近でマングロ−ブを観察する。
ごみはもちろん、排便も携帯トイレで持ち帰る。「地域の人とのふれあいが良かった」「自分の生活習慣を見なおすきっかけになった」の声が多い。最近は会員の食材や土産物が売れるようになり、島民とのふれあいが充実してきた。エコツア−の業者が増えた中で環境への配慮がない業者が出始めた。行政・他地域の協会・地域住民と協力してガイドラインを作らなくてはならない。山根さんの講演で指摘されたごみは行政で決めた捨て場所で不法投棄ではない。
ニュジ−ランド政府観光局日本局長 小林天心氏
自然や地域の文化に触れて感動し、それを親しい人に伝えたいと思うのが観光の原点である。旅行業者が自然への感謝に欠けるのを感じる。日本人は白人に卑屈でアジア人に威張っていることが多い。旅行業者は文化と文化をつなげる通訳の役割も必要である。80年代後半から使われるようになったエコツ−リズムは人と自然と文化の共生を常に考えた観光のあり方を促進することである。21世紀の新しい哲学として研究したい。松本市は、山・自然・人情など国内有数の良いイメ−ジがある
日本中の都市が金をかけてPRしようとしているものをすでに持っている。
自然環境研究センタ−理事 真板昭夫氏
従来の観光は消費者が中心であった。地域が主導権をもった観光がエコツ−リズムである。この方式の取り組みでは地域の「自然」、「生活」、「歴史と文化」、「産業」、「名人」のすぐれたものを発見する「五つの宝探し」が必要だ。
エコツ−リズム推進協議会事務局長 高梨洋一郎氏
エコツ−リズムは「環境に優しいことをやればいい」にとどまらない広い考え方である身近な実践が経済のエンジンになり、地域活性化つながる。地域住民、消費者であるエコツ−リスト、観光業者、「宝探し」をアドバイスする研究者、行政の五者が連繋することによってエコツ−リズムを推進できる
                   
                  エコツア−体験談

フリ−ランスライタ− ヒュ−・G・バックストン、バックストン・みどり夫妻
ヒュ− エコツ−リズムは旅行者、訪問地の自然環境、経済、文化にとって有益である。知人は「土地、人々、野生動物」への配慮をする器と言っている。デズニ−ランドはどこにでもつくれる。松本にある固有の自然、生態系は人工的につくることはできない。                        
みどり 中米コスタリカはエコツ−リズム発祥地と言われる。1972年に科学者と地元が協力して世界各国に寄付を募り、森林一帯を買い取り自然保護区をつくった。400種類以上の野鳥や多種類の生物がおり、遊歩道の整備でハイキングや森林浴ができる。ミッドウエ−諸島の自然保護区では観光客の受け入れ条件を一度に百人を超えないことにしている。
北海道自然体験学校プランナ− 宮本英樹氏
美ヶ原は冬季にも魅了するものがあり観光が成り立つ。アクセスに恵まれた大衆的な自然も、原生の自然を楽しみたい人、手軽に自然と親しみたい人などニ−ズはさまざまである。自然を残す部分と大勢の観光客を受け入れる部分をきちんと決めるべきだ。参加者の発言にあった「美ヶ原は足元から天然のプラネタリュ−ム」はすばらしさを如実に語っている。


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