2006年10月23日発行:Vol.81
編集:森口

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 歯科の治療で「咬み合わせの治療」を行う際に、「咬合調整」「補綴矯正」「歯列矯正」「オーラルリハビリテーション」などの治療と同時に、もしくは単独で行う治療に「スプリント療法」というものがあります。
 「スプリント」と言うと、短距離のレースなどに使われる言葉ですが、歯科治療の上では、短期間に効果を上げる目的で使われる物を指して言うようです。しかし、この中には、「福子:フクシ」「副木:フクボク」(骨折時に骨折部位を固定するための物や装置)、「テンプレート」(暫時期間的に使用する一種の入れ歯や歯型)、「歯軋り防止装置:保険診療用語」(歯軋りに対して保険歯科治療で作る物)、「ナイトガード」(ブラキシズムの患者さんに歯と歯茎を守るために、夜寝ている間、歯に装着してお口に入れておく物)、「マウスガード」「マウスピース」(スポーツなどで歯や口の中を保護するための物、スポーツマウスガードとか、スポーツスプリントと呼ぶ事もある)、「スタビライゼーション型スプリント」(顎関節症などの時に顎関節を安定させる目的や調節するために入れる歯型、出し入れ出来る物と出し入れせず直接歯に付けてしまう物がある)など・・・。多種類におよび、いろいろな意味合いのものが混同されて呼ばれたり、使用されています。しかも、一見すると全て似たような形をしているために、患者さんの皆さんが見ても、見分けが付きにくく、何の目的で作られたものか判別が付きにくいと思われます。
 各々について詳しく説明する事は、他の機会に譲る事としまして、ここでは主に「ブラキシズム」(かむかむ:171819号参照)と「顎関節症」(かむかむ:596061号参照)の時に使用するものについて書いてみましょう。
 「スプリント療法」に使われる時に使うものとしては、主に硬い透明なレジン(一種のプラスチックのようなもの)と言う材料で出来た歯型を使います。(他には、やわらかいシリコンゴムで作る物や、規制の輸入品のものがあります)

はじめに患者さんのお口の審査と、咬み合わせを見るために歯型を取らせてもらいます。場合によっては、お口全体のレントゲン写真や顎関節の特殊なレントゲン写真も取ります。
審査、診断後、患者さん本人に結果と診療方針の説明を行います。
診療用装置を作るための歯型を採り、技工所に送りスプリントを作製してもらう。
出来てきたスプリントを患者さんのお口に入れてもらい主に夜寝ている時に使用してもらう。患者さんによっては、食事や仕事以外であれば、昼間の時も出来るだけ入れてもらうようにする。
数週間から数ヶ月間使用してもらいながら定期的に歯科医院に通院してもらい、症状の改善を図りながらスプリントを調整していく。
症状が治癒した時点で、使用を中止する。改善が見られない時や治癒が見込めない時は治癒用としてではなく、長期安定を図る目的で現状維持、もしくは予防用に使用を続けて行く事に成る事もあります。

 上記は、一般的な治療の流れですが、患者さんのケースによっては、他の方法や治療期間が長期に及ぶ場合も有り得ます。また一旦症状が改善しても、しばらくすると又、再発することもあります。
 「似ていても非なるもの」と言うものがあります。「スプリント」と言ってもいろいろと違う目的で使われる事もありますし、また同じ目的でも違う材料で効果を得るように行う事も有ります。又、経過も人によって様々な結果と成り、なかなか改善が得られない事も多く、やはり歯科技師だけでの対応には限界があります。本来ならば、他科(整体治療などのカイロプラクティック、形成外科や整形外科医、心療内科医など)との連携によるチーム医療が一番効果が上がると言われております。近い将来このような事が、早く実現できる日が来る事を願っております。
(院長)

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