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2001年 5月 10日発行 Vol.18 |
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編集 大場 |
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<ブラキシズム> (Bruxism) について(2) |
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先月号の「かむかむ」では、ブラキシズムというものについて一通りのお話をしましたが、大変難しい話なので今回はもう少し詳しく掘り下げてみましょう。
本人の知らない間に(無意識で)行われていると言いましたが、皆さんの中で犬歯(糸切り歯)の先が尖っていないでナイフで切り取った様に先が平らな形をしている方、前歯や奥歯の歯の頭が削れて中の象牙質(少し黄色みがかった部分)が見えてきている方はいませんか?それは、決して食事をして擦り減ったものでも長く使っていたからでも有りません。 歯の表面を作っている[エナメル質]は、自然界ではダイヤモンドの次に硬い物とも言われております。食事の時や長く使っていたくらいでは、なかなか減る物では有りません。
では、なぜ擦り減るのかというと、硬いダイヤモンドも研磨するのにダイヤモンドの粉を使うように、エナメル質どうしが強い力でこすり合わされると、少しづつ表面から無くなって行くのです。しかも無意識でくいしばる時、寝ている時の歯軋りは、普段の時の咬む力の3〜5倍の力に達するそうです。この強い力によって[歯]は押し潰され、擦られ、曲げられるのです。
その結果、[歯]の表面が無くなり中の[象牙質]が出て来て冷たい物がしみたり、虫歯でも無いきれいな[歯]が割れたり欠けたりして抜かれたり被せる治療が必要になったりします。また、その力は[歯]を支えている歯ぐき(歯肉や顎の骨)にも影響を及ぼし、歯周病を進行させて、歯肉の退縮を招き骨の吸収が進み[歯の根]が露出して来ます。さらに[歯]そのものが動き出し、「咬むと痛い」「動いていてよく咬めない」など食事がしっかりできなくなってしまいます。
最近[歯]の付け根(歯肉から歯が出て来てる境目)に段差ができて来た、歯の付け根がくぼんでえぐれている、そのために冷たいものがしみる(知覚過敏)ようになったという方、これらの症状の方も最近は[ブラキシズム]による原因ではないかと言われています。強い力が歯に加わるとき、歯は目には見えなくとも押し曲げられ、その時硬い[エナメル質]は付け根の部分で薄くなっているためヒビ割れて細かく欠けるのです。そしてそれが進行した結果が、段差になったりくぼんでえぐれたりしてくるのです。なんとも不思議で怖い話ですよね。
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