2006年02月08日発行:Vol.74
編集:大場

 前回では、症状と経過に付いてお知らせしました。今回は、原因に付いてですが、今までの「かむかむ」の中でもお知らせしたように、「歯が凍みる時」と言う場合は、歯が「虫歯に成った」場合。「歯の根が歯周病などで露出」してきたり「歯の根が虫歯」に成ったり「歯の根が歯磨きなどで削れて細くなってきた」場合。そして、多くのケースで、「ブラキシズム」(かむかむ17号19号参照)による歯への異常な力から「歯の中の神経が炎症を起こす」、「歯の歯頚部〔歯の生え際・歯肉との境目〕が楔状欠損で破壊されて神経に近付く」場合。歯並びや咬み合せが悪い為に、咬んだ時の上下の歯の当たりのバランスが良くない為に特定の歯ばかりが当たる〔早期接触・咬合負担過重〕場合。などが上げられます。

 歯科医院を訪れる患者さんの中には、「凍みる」と言う事で来院されても、「診察の結果、虫歯ではありません」と言う事が解ると、不思議そうに、「何故凍みたのですか?」と聞かれる方がいますが、その時には多くのケースで「ブラキシズム」が関係しているように思われます。

 学童の永久歯(大人の歯)が崩出(生えてくる時)してきたり、交換期(生え変わり)の時などは、時折「奥歯がかむと痛いんです」、「奥歯が最近になって凍みるのですが」、と言うような事で来院され、詳細に診査してみても虫歯らしい兆候も無い時には咬み合わせを調べてみると、特定の歯だけが咬んだ時に当たっている。もしくは、乳歯が抜けて他にかむ歯が無いために、崩出して来た永久歯のみが咬むと当たっている、と言うような事があります。
 このような時は、永久歯の咬み合わせを少し調節してあげたり、バランスを整えてあげるだけで「凍みる」症状や「咬むと痛い」と言う症状が消退したりします。
 原因に付いては、大体ご理解頂けたでしょうか?次に、知覚過敏症に対する予防策としましては、虫歯や歯周病に対する予防(かむかむ28号37号参照)が「凍みる」と言う症状を作らない事につながるのはもちろんの事、「ブラキシズム」に関する事柄(かむかむ17号〜19号参照)も対応策として有効なのはご理解頂ける事でしょう。また、歯列不正や咬合(咬み合せ)異常がいろいろな問題につながる事(かむかむ15号68号69号参照)もすでにお伝えした通りです。

 「知覚過敏症」を放置したり、「凍みる」と言う事を一時的なものとして軽く考えていると、治るものも治らない所まで進んでしまったり、大切な歯の中の神経を除去しなければ成らない歯科治療をする事に成るかも知れません。

 「早期治療、早期発見を!!」
(院長)

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 カルシウムが腸から吸収されるためには、多量のビタミンDを必要とします。ですからカルシウムを多く含んだ食品をいくら食べてもビタミンDが十分に摂取されなければ、カルシウムはただ排泄されてしまいます。ビタミンDを含んだ食品は非常に少なく、バター、レバー、しいたけ位が代表的なものです。幸いな事に、ビタミンDは食品から取らなくても、日光浴をすれば体内で生成されます。故に日光浴をする事で、取ったカルシウムを十分体内に吸収させてくれるのです。

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 ガムの事を性格にはチュウインガムといいます。口の中で噛んで味わうお菓子の一種です。亜熱帯地方で産出するサポジラの樹脂チクルに、砂糖、香料、ハッカ等を混ぜて固めたものです。最近では、チクル(サポジラの樹液を煮詰めた固形物)の代わりにビニール樹脂(石油から作られます)が多く使われています。キシリトールガムは、甘味料の砂糖の代わりに、白樺の木の樹液が甘いため、それを利用しています。
 ガムは、食直後の大きな食物残渣は除去出来ますが、長い間噛んでいるとチクル、ビニール樹脂成分が歯の表面に付着して、歯のエナメル質の表面をかえってザラザラにしてしまい、歯垢を付着しやすくしてしまいます。
 以上の事から、ガムは歯の清掃的なものではなく、気分転換・噛む刺激による脳細胞の活性・一時的口臭除去に利用すれば良いでしょう。