2005年08月29日発行:Vol.68
編集:大場・三岳

 以前「かむかむ」15号(2001年2月6日)で咬み合せについて書いた事がありますが、その後、「ブラキシズム」(171819号)、予防歯科の中での「オーラルリハビリテーション」(28号)、「咬合病」としての内容(3435号)の中で、この「咬み合せ」に付いての事は度々お知らせしてきました。
 今回は、引き続いて「咬合」(咬み合せ)のことについてお知らせすることに致します。
 これまでも「咬み合せ」の重要性については色々書きましたし、お口の問題だけではなく全身との関連に付きましてもお知らせしてきました。(インターネットを開けばこれについては何百という項目がヒットしてきます。また、色々な先生方(歯科に限らず)が実証や実例を交えて書いておられます。)ここで、「心」(精神状態)の問題とも関連が有るらしい事を付け加えさせて頂きたいと思います。
 にわかには何の事だろうと思われる向きも有ると思いますが、「ブラキシズム」の中でも一部触れておりますように、「咬み合せ」は全身の影響も受けることが有る反面、全身(事に上半身や頭頚部)へも影響を及ぼします。そして、情緒や著しい心(精神面)の変化により少しづつ(微妙に)「咬み合せ」は変化し、それが続くと、今までの咬み合せとは明らかに違う場所で咬む事になったり、歯の形が変わってきたりします。その結果、虫歯でなくても「凍みたり」「痛み」がでたり「咬合痛」「歯牙の動揺」等があらわれたりします。
 ここ数年、当医院へも「歯が凍みる」「かむと痛い」「食事の時痛くて咬めないため、満足に食事が出来ない」などの主訴で来院される方の中に、虫歯が1本も無い、痛い所の歯や原因となっている所の歯は虫歯では無いという方がおられます。(中学・高校生の方もおられます)
 そこで、咬合の診査をしてみると、その症状の原因となっている歯だけが上下で強く当たっている。または、他の前後の歯よりも咬む時に強く当たる(早期接触)と言う事が解り、「咬合調整」(かむかむ35号)「スプリント療法」をすると、1〜2回で症状が軽減したり、消失してしまう事に驚かれたり、不思議に思われたりする事があります。
 これらは、微妙な「咬み合せ」のずれや他の歯よりもほんの数分の1秒早く、または強く上下の歯が当たる(早期接触)事が続き、その歯だけに咬合力の負担が集中する為に起こる事と考えられています。そこで、その「早期接触」や「負担過重」を取り除いてあげたり、咬合力の平均化を図ることで、症状が無くなると考えられるのです。
 「咬み合せ」は、一生普遍ではなく変化し続けます。その原因は、・・・
[つづく]
(院長)

講演会のお知らせ

日時:平成17年9月4日(日) 13:00〜15:00 場所:上伊那歯科医師会館

食生活と歯の健康

虫歯がどうしてできるか知っていますか?
自然に近い食生活に変えることで歯の健康を保つことができるとしたら・・・
今日から私たちができることをわかりやすくお話していただきます。

参加費:1,000円

講師 谷口威夫先生  長野市開業・歯科医師
1942年 長野生まれ。 東京医科歯科大学歯学部卒業。
同口腔外科専攻科終了。1969年長野市にて開業。
現職:日本歯周病学会常任理事・指導医
   日本臨床歯周病学会理事・指導医
   日本顎咬合学界  理事・指導医
歯科疾患は「生活習慣病」と捉え、食生活をはじめ生活の中の原因除去の大切さを訴えている。
著書に『トータルから口をみる』(株)松風、共著に『ブラキシズムの基礎と臨床』日本歯科評論、『完全米飯給食が日本を救う』東洋経済新報社など。
健康にすごすためにはどうすればよいか・・・きっと良いヒントが見つかりますよ。参加ご希望の方は受付にお問い合わせ下さい。

谷口先生おすすめ、幕内先生のレシピ集よりご紹介します。
ねぎ、しょうが、みょうが、わさび、唐辛子など香りのある薬味野菜は舌をほどよく刺激し、食欲を増進させます。上手に使いましょう。

材料:
ほしそば−1わ(150g)、納豆−1/2個、大根おろし−1/4カップ
薬味−(ねぎ・おろししょうが各適量、焼きのり1/2枚分)
つゆ−(だし1/2カップ、しょうゆ・みりん各大さじ2)、しょうゆ

1.つゆの調味料を鍋に入れてひと煮立ちさせ冷やしておきます。
2.納豆に、しょうゆをたらりと混ぜます。
3.たっぷりの熱湯にそばをほぐし入れ、沸騰したら1カップの差し水をし、 再び沸騰したらざるに上げて水洗いし、水気をきります。
4.器にそばを盛り、上に大根おろし、薬味、納豆をのせ、つゆをかけます。

著作者:幕内 秀夫先生  「粗食のすすめ・レシピ集」より