2002年 10月 5日発行 Vol.35 編集:大場

咬合病(2)
(前号のつづき)
 人によって個人差があるために一概には言えませんが、よくあるケースとしては、「前歯が壊れた」と言うことで来院されて噛み合わせを診ると奥歯のかみ合わせが無い・噛めている場所が無い。など噛む力を大部分負担すべき奥歯が噛めていないために、前歯に噛む力が集中して、前歯が壊れたり抜けてしまったりと言う事があります。その時は、奥歯から全体の噛み合わせを診て、元の噛み合わせを作り直していくという、お口の中の大工事を余儀なくされる方が結構多く見られます。(しかし、その方々が全て治療を受けている訳ではありませんが・・・)また、奥歯が無くなり入れ歯を入れておられる方の中には、長い間に顎の骨が吸収されてきて噛み合せが自然と低くなる方がおられます。すると、他の歯(残っている自分の歯や被せてある人工の歯)がバランス的には負担が増えて、負担過重となってきます。そ結果噛み合わせの面が凸凹になってきたり、前歯が叩かれて出っ歯になってきたりします。その時はまず、奥歯の噛み合せの高さを上げなければならなくなります。その後凸凹の噛み合わせの面の補正をしながら、バランスを整えていくと言う治療をします。

 「咬合調整」:これは、噛み合せのバランス的には少しのズレや負担が集中している歯の噛み合わせを削ったり角を丸めたり研磨してバランス取りをする事で、通常は2〜3回の調整で、凍みていたり痛みのある歯の症状を取る、あるいは軽減するための治療です。「歯周病」などでは、頻繁に行われる治療と言えます。他には「知覚過敏」[ブラキシズム」(かむかむ171819号参照)でも行われる治療方法です。

 [矯正治療」:これは皆さんも最近良く行われるようになってきたためご存知の方もおられるでしょうが、人工的に矯正用の針金やゴムを使って歯を動かして歯並びや噛み合わせを整える治療です。最近では子供だけではなく、成人(大人の)矯正も有るくらいで、歯周病の方や補綴治療(被せる銀歯、入れ歯、連なる銀歯のブリッジなど)の前処置としても用いられるようになってきております。もちろん、従来通り子供のうちに歯並びや噛み合わせを良くする事は、見た目だけではなく、歯磨きなどがしやすくなり、きれいにお口の中のプラークコントロールができる事は虫歯予防や歯周病予防につながります。さらに、噛み合せのバランスを小さい頃から採っておく事は、将来の咬合病などの不定愁訴の予防になると言えます。詳しくはスタッフまでお問い合わせください。 
(院長)


PMTCとは・・・

虫歯・歯周病の予防法の一つとしてPMTCというものがあります。

PMTCとはP(Professional) M(Mechanical) T(Tooth) 
C(Cleaning)と言って、歯科医師、又は歯科衛生士が専門的な道具、材料を使ってお口の中をきれいにする事を言います。
 磨きにくい場所や磨き癖というものは、誰にでもあり、しっかり磨いているつもりでもお口の中から完全にプラークを取り除く事はとても難しい事です。又、歯石や着色がついてしまった場合もブラッシングだけで除去する事はとても難しくなります。
 プラークや歯石は細菌のかたまりですから、そのまま放っておくと確実に虫歯や歯周病を進行させてしまいます。細菌学的な事から言えば、目には見えない細菌層ができ始めるのが約3ヶ月と言われています。この細菌層を破壊することによって、口腔内を細菌から守り、虫歯・歯周病の予防へとつながります。理想的には細菌から自分のお口を守るためには3ヶ月に1度定期検診を兼ねたPMTC(専門家によるお掃除)をお勧めします。定期検診により、虫歯・歯周病の早期発見、早期治療へとつながり、自分のお口をより健康に保つことができます

担当:林
歯磨剤

歯科医院でホワイトニングをした後に使用するとより白い歯を長持ちさせる事ができます。