2002年 3月 5日発行   Vol. 28

予防歯科治療について《2》
 先月号では、予防歯科医療の重要性とこれからの必要性について述べました。今回はその続きと、具体的にどのような方法があるのか述べてみたいと思います。
 近年、歯科検診などの普及で早期発見、早期治療が行われつつ有りますが、それでも全人口からみれば、まだまだと言ったところでしょう。しかも、予防として大事な時期(歯の生え初め直後、永久歯列の完成時)を、はずさぬように検診とアドバイスを受けられる方がどれほどおられるでしょうか?そして、そのためには「年に1〜2回」の《定期検診》が大変重要となるのですが、それを受けている方々は非常に少ないのが現状です。
 歯科に関する病気は、大変怖いことですが、自然治癒と言うものが有りません。進行の速度は人によってまちまちでも必ず「悪くなる一方通行」なのです。治療によりどこかでくい止めるか、進行速度を遅くしてあげない限り、病状は加速度的に悪くなります。
 「咬む力」を考えた場合、仮に「総入れ歯」になったとすれば、全歯牙(28〜32本)のある人の良くても1/5程度、悪ければ1/10以下という統計もあるくらいです。また、「咬む力・刺激」と言うものは頭への刺激となり「痴呆やボケの防止」にも役立っているそうです。外国の情報ですが、ある施設での統計では、痴呆患者の実に8割の人は噛み合う奥歯が無かったそうです。また過去には「咬む力の無い子供は頭も弱い」という本を出した歯科の先生もいます。自然界の中で、動物は「牙」(歯)を失えば食べることができなくなり、それは死を意味します。人間は文明の進歩により食べ物を加工することにより、食べることは何とか成りますが、やはり全身の健康を維持するうえで、お口の健康や噛み合わせの健康は重要です。
 予防の具体的な方法として、歯科における2大疾患、カリエス(虫歯)と歯周病(歯肉炎・歯槽膿漏)が有ります。
 ・カリエス予防として、歯の生え初めの時からの「フッ素による歯質強化」「
  砂糖(ショ糖)・おやつ・食事に対する指導」「ブラッシング指導によるプラー
  クコントロール」「奥歯の噛み合せの溝への予防充填処置」などが有ります
 ・歯周病 予防として、「定期的な歯石・プラークの除去」「プラークコントロー
  ルと歯肉マッサージのためのブラッシング指導」「バランスの悪い噛みあわ
  せによる歯周病悪化との関係で、噛み合わせ調整や矯正治療」「歯周病
  と全身との関係での健康管理」「喫煙と歯周病の悪化関係での減煙もしく
  は禁煙」などが有ります。
 他に 咬合病 (噛み合わせの異常に起因する病気で顎関節疾患の一部など)予防として、「お口全体のオーラルリハビリテーション処置」「咬合調整」「矯正治療」などがあります。
 総合的な予防としては、ブラッシングやプラークコントロールのしやすさ、バランスの良い噛み合わせのための「歯列矯正治療」というものも大切となってきます。次号からはより詳しく予防方法に触れて行きたいと思います。 (院長)


今回、宮田村の酒井八重子さんからの原稿をご紹介させていただきます。
歯と私
 子供のころは丈夫だった歯も、大人になってからは虫歯になりやすくて、近くにある歯医者さんに通うようになりました。
 そんなある時、あごの具合が良くないと感じ始め、おかしいなと思っているうちに口がうまく開けられない状態になってしまいました。友達にあごの状態を話したら、「すぐに東正歯科医院に行って診てもらったほうがいいよ」と言われたのがきっかけで、以来、初めて東正歯科医院へお世話になってから約8年のお付き合いになります。
 誰でもそうなのでしょうか。私は歯医者さんが嫌いです。いつも決まって、「どうしてこんなになるまで放って置いたのですか!」と怒られます。自業自得とは言え、自分の歯のことで悩んで、困っていたのに・・と思いながら本当に情けなくなります。
 ところが、東正歯科医院の先生はちがいました。私の歯のひどい様子を見ても、怒るようなことは一言も言わず、歯の状態やそれに対する正しい治療法などの説明をきちんとしてくださいました。そのことは何より私をほっとさせてくれたのです。もちろん、先生の治療は最後まで裏切ることがないことは言うまでもありませんが。
 昨年の3月頃から再び、虫歯や歯が抜けて先生のお世話になりました。年を重ねるとともに歯も脆くなり、悪くなりやすくなるようです。一本でも多く自分の歯が残るように努力をし、維持できればと思います。
 そんな時に、紹介されたのが「インプラント」という治療法です。歯が部分的に抜けてしまった後に、差し歯、入れ歯に替わる新しい治療法として、現在注目されているそうです。
 治療は歯が抜けた後、あごの骨に人工の根を取り付けて、その上に人工の歯を取付けると言う方法だそうです。両隣に残っている歯にはキズをつけず、しっかりと固定されるから自分の歯に近い感覚でかめるようになります。ただし、あごの骨を削って人工の根を取り付けるので、あごに対する負担は少なくありません。日数も長くかかり、リスクも大きいからこそ本当に必要なところに使うべきだと先生からていねいに、親切に話がありました。自分も本当に必要なところに使うべきだと思いました。しかも高額ですからね。
 選択権はすべて患者にあり、押付けることはありませんでした。先生のその姿勢は終始変わることがなく、私にとってはとてもうれしく、ありがたく思いました。私は実際に「インプラント」治療をうけることにしました。
 最近治療を受けたばかりなので、自分の歯に近い状態であるのか、どのくらい長持ちするのかまだわかりませんが、この治療の成果を楽しみにしています。
 歯を大事にするにはきちんとした手入れが一番重要です。また、早めの治療も大切だと感じました。
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