2002年 12月 9日発行 Vol.37 編集:大場

オーラルリハビリテーション(oral rehabilitation)


 皆様のおかげを持ちまして、とうせい歯科医院も12月10日で15周年を迎える事が出来ました。それと共に、「かむかむ」も今月で4周年目を迎える事に成りました。皆様からの原稿やご意見などのご協力の賜物と、ここに謹んで感謝いたします。また、今後ともより一層の充実を図って参りたいと思いますので、ご意見ご要望をどしどしお寄せ下さい。

 さて、今までの「かむかむ」の中で、「予防歯科治療」vol27・28号や「咬合病」vol34・35号の中でも触れてきた内容ですが、「オーラルリハビリテーション」(咬合再構成:オクルーザル リコンストラクション occlusal reconstructin とも言われる)とは、歯を抜いた後に長い間放置されたために、その周りの歯が移動(傾斜・捻転)したり、延出(今までの上下の噛み合わせの面から延び出してくる事)したり、また高度に進んだ歯牙の咬耗(プラキシズムなどによる擦り減り)や、多数の不良な歯冠修復物によって患者さん本来の持っていた咬合面や高さが失われたり不明確となってしまった場合。または、顎口腔系(歯だけではなくその周囲組織【顎の骨・顎関節・顎運動周囲筋肉・顔面周囲筋肉・周囲神経系】の総称)に異常を来たしている為に痛みや運動機能障害を持った患者さんがいた場合。これらに、新しい噛み合わせの面や高さを付与した歯科治療をするための術式の全体をオーラルリハビリテーションとナソロジー学派(顎生理学派)が提唱した事に始まります。
 実際には、各症例で術式が異なる事と複雑多義に及ぶためここでは術式を全てご説明は出来ませんが、共通して言える事は、主訴(一番問題としている事柄)のみならず全体の中でその問題の原因が何処にあるのか?何なのか?を探っていかなければならないと言える事です。もちろんその時の応急処置も必要でしょうが、応急処置の連続は、たとえて言うならばズボン(パンツ)の継ぎ当て(パッチワーク)の繰り返しのようなものでしょう。それは、いずれ他への影響や機能障害を生む事につながります。
 歯科治療の歴史の上でもナソロジー学派などが「額関節の運動に調和した歯科治療を!」と言い続け、大学病院での教科でも「1口腔単位の治療を!」そう教えられながら、実際の臨床の場では、主訴のみの治療、主訴を無視した保健治療の決まりに左右される治療と言う現実が多く、不満の増加や納得の得られない治療と言う事で最近新聞や雑誌での投書や特集記事が増えてきた背景の一つといえると思います。
 仮に、お口の中の1本の歯の治療であっても、やはり口腔周囲全体の中でのバランスの採れた歯科治療を受けるべきです。出来れば、全ての治療においてこれを心がけるべきでしょう。詳しくはスタッフまでお問い合わせください。
(院長)




お口の中 探検

 先月からとうせい歯科医院では、初診や再診の方々に現在のお口の中の状態を絵や写真にしてお渡ししています。 虫歯や歯周病の状態を患者さんと一緒に目で見て説明をさせていただき、患者さんが納得をして治療を進められるようにと導入をさせていただきました。
 治療期間が長期に渡る場合にも、今どこまで治ってあとどの位治療がかかるのか等、いつでもお渡しし、説明することができますので、ご希望の方はスタッフまでお声かけいただきますよう、お願いします。   (大場)


表されている数値(mm)は、あなたの歯と歯ぐきの間にあるポケットの深さです。数値が術前よりも改善されている場合は青色、悪化している場合は赤色、同じ場合は黒色で表します。ポケットは灰色で表現されています。
歯槽膿漏が進行しているようです。ぐらつきのひどい箇所があります。
歯のぐらつきを止めるよう固定し、状態を見ながら歯茎の治療をしていきましょう。
ポケットの深さが根の先の部分まで達しています。歯を支える骨がほとんど無い状態です。この状態のままでは非常に危険で、完治は難しくなります。他の部分がこのようにならないよう。早く治療しましょう。
原因となる歯石を取り除き、歯の間や、根の回りをきれいにするようにしましょう。


15年目を迎えて思う事
 平成14年12月10日で、15周年を迎えるとうせい歯科医院が、今までは歯を治す事を主体に考え、治療内容を歯医者さんが決めて患者さんのお口の中の治療を進めてきたように思えます。その結果どれだけの患者さんが、納得して治療を受けていたかと言う事を今15年間と言う年月で振り返ってみると、医院自体がまだまだ医療に対して足りない考えだったと思いました。
 今後のとうせい歯科医院が、いままでの15年とは違い今まで来院して下さった患者さんに良くなってきたと言われるようにしていくためには、患者さんからの知識や歯科治療に対してどのような理解を今までされてきたのか、今どのような不満を持っているのか、疑問をもっているのか、いろいろな患者さんからの声を聞き、お互いに話し合い患者さんとのコミュニケーションをし、それに基づいて、患者さん一人一人のお口の中のプランを立てていき、来院のたびごとにいろいろな疑問や要望があると思いますので、医院のスタッフに聞いていただき、ひとつひとつ解決していきたいと思います。
 患者さん自信が、“もう少しきれいになってみようかな〜”と言う意欲を私達が与え、次は何を治してどこがきれいになっていくのかという期待感を持ち、歯科治療に対して今までより一層関心を持ってもらえるようにし、はじめて医院に来た時よりもお口の中が、きれいになったという感動を与え、医院のドアーを笑顔で開けて帰って欲しいと思います。何ヶ月後かのリコールで来院してもお口の中の状態が、きれいな状態に保っていけるように私達が患者さんに、情報を与えていける医院になるように心がけたいと思います。
副医院長:池上 佳江


この機会にぜひ・・・
歯ブラシ、歯磨剤を皆さんはいつもどのようにして選んでいますか?当医院では、患者さん一人一人に合った歯ブラシ歯磨剤、補助的清掃器具(フロス、歯間ブラシ等)を使用していただく為に、歯肉マッサージ、歯列不正用の歯ブラシや、むし歯予防の為のフッ素入り歯磨剤、着色をつきにくくする歯磨剤、ホワイトニング用の歯磨剤等をそろえています。自分のお口にあった物を使用し、むし歯、歯周病予防をしていきましょう!今、当院では15周年記念セールとしてフッ素入りの歯磨剤等を割り引き価格でご提供させていただいております。この機会にぜひ購入して使ってみてはいかがでしょうか。
担当:林



かむ不思議
 すきな食べ物は何ですか?スパゲティー、カレーライス、それともハンバーグ?子供達は特にやわらかいものを好みます。その為「かむ」力が弱かったり、かたいものを食べれなくなったことから、かむ回数が減ったといわれています。かむことは頭の働きと関係があることを知っていますか?
 ねずみを使った実験をした人がいます。生まれてすぐのねずみに、1匹にはやわらかいえさを、もう1匹にはかたいえさを、5週間あたえ、このねずみを同じ迷路の中に入れ、ゴールまでどのくらいに間違わずに進めるかを調べたところ、かたいえさを食べていたねずみの方が間違う回数が少なかったのです。かたいえさを食べていたねずみはよくかむことによって血液のめぐりがよくなり、体温も高く、脳が活発に働いていたためなのです。
 よくかんで、よく勉強すれば、今度のテストは100点・・・!?ゆめではなくなるかも知れませんね。
担当:三岳

**噛んでめでたいめでたいおせち料理**
 早いもので今年も残り1ヶ月弱となり、2003年がすぐそこまでやってきていますね。年末・年始とおせち料理がかかせないと思いますが、おせち料理の中でも歯に良い一品、『たづくり』をご紹介します。『たづくり』に使われる魚は“ごまめ”といい、片口いわしの幼魚を干したもので、通常出回っている真いわし(生)と比べるとCa(カルシウム)が三倍も含まれていて鉄分も豊富です。幼魚ということもあって骨まで食べることができ、良く噛む事になるので子供さんの顎の成長を助けたりします。また、Caが豊富なので歯質強化にもつながります。『たづくり』は田作りにかけて豊作を願う祝い魚として、おせち料理の一品に入ります。手軽に出来るので作ってみて下さい!

 ・・たづくり・・
材料: ごまめ 50g  しょうが汁 少々  いり白ごま  少々
a:砂糖 大3  みりん・しょうゆ 大1  水 大2
作り方: @ごまめを厚手のフライパンで何回にも分けて少しずつ、弱火でいる。
Aカリカリにいったら目の粗いザルに入れてふるい、焼けゴミを取る。
Baを火にかけて、とろみがついたらしょうが汁とごまめを入れて手早く混ぜる。
Cサラダ油をぬった大きなお皿に広げて、ゴマをふる。
1ポイント:ホットプレートでもOK!お皿にサラダ油をぬるとくっつきません!
担当:宮崎


      年末年始休診のお知らせ
         12月30日午後〜1月5日まで休診とさせていただきます。