温か談義・まきストーブ仲間・・・・・松本の友の会

市民タイムス

取り扱い伝授し合う・・・・「家族」「資源」話は尽きず

巻きストーブにみせられた仲間が、ストーブを囲んで団らんする「薪(まき)ストーブ友の会」の会合がこのほど、松本市内の会員宅で開かれた。最近静かなブームを呼んでいるまきストーブだが、会では「廃材を使って家全体が暖まる。インテリアとしてではなく、使ってこそ値打ちの出るもの」と主張。会合ではストーブを前に、正しい取り扱い方から家族論、資源論まで話は広がった。
会員七人全員が松本少年刑務所の職員で、発起人は、六年前に自宅に取り付けた同市蟻ヶ崎三の丸山鈞さん(57)。「最初は扱い方が分からず、松の葉などを投げ込み、煙ばかりが出て悪戦苦闘した」というが、今では仲間にストーブの良さを教え、取り扱いのノウハウを伝授しようと昨年春に発足した同会のアドバイザーになった。
 今回、会合場所となった同市里山辺の柿沢英二さん(44)宅は、自慢の手作りストーブを取り付けたばかり。「家全体が朝まで暖かいなんて、石油ストーブでは考えられない。そして何よりも、家族が自然とストーブの周りに集まるようになった」と、家庭の円満ぶりを会員に告げた。
 会員のうち二人はこれから設置する予定で、「妻も大賛成。今から楽しみで仕方がない」と話すのは、同市寿北八の浜宗明さん(48)。現在"先輩"の助言と自慢話に耳を傾け、家族でストーブを囲む日を夢見ている。
 市販されているほとんどは外国製で、値段は四、五万円から六、七十万円までさまざま。まきは太くなり処分するリンゴの木の幹を切り取って集めている。丸山さんは一年に軽トラック十台分を使用するが、市販のまきは一束四百円で、一日四〜五束の使用を考えると「経済的にも環境的にも最高」。 会では畑などで処分に困った木を無償で切り回収したいと話している。問い合わせは丸山さん(電話34・2938)か柿沢さん(電話34・2177)へ。

ゆとり・・・

市民タイムス(1998年1月20日)

暖かなまきの火を囲み家族だんらん。最近、まきストーブが静かなブームとなっている。電気や灯油を使った暖房器具と違い、にじみ出るような暖かさには、自然と人を集め、和ませる力がある。松本地域の愛好家でつくる「薪(まき)ストーブ友の会」の会員で、同市里山辺の公務員・柿沢英二さん(46)に、まきストーブの魅力と、会の活動について話を聞いた。

人を集め和ませる力

現在、市販品のほとんどはフィンランド、アメリカ、カナダなどからの輸入品で、十年ほど前に日本に上陸した。石炭やコークスを併用できるタイプが多く、価格は五万円前後から八十万円前後までとさまざま。松本市内では、五、六軒の専門店が取り扱うほか、ログハウスの建設時にセット販売されるケースもあるという。
柿沢さんが使用するのは、手作りの白馬式。燃焼室が二層になっているタイプで、燃焼効率を熱の伝導率がよい。煙も水蒸気程度に抑えられるという。三年程前、家の新築時に購入、勝手兼居間の一角に据え付けてある。直径二、三十a、長さ四十a程度の樹木を四分割したまきで、燃焼時間は約三時間。気がついた家族がまきをくべるルールで、ほとんどの時間、燃やし続けているという。
家全体が「ぽかぽかとする」ことに加え、煮炊きにも便利。洗濯物の乾きも良いという。「家族はもとより、それぞれの友人が集まる場になっている」と柿沢さん。柿沢さんの母親・積子さん(74)は「高校一年の孫でも、まきをくべながら、いろいろと話をしてくれるんですよ」。ストーブがあることで、夕食が終わっても家族が食卓に残り、会話が弾む。

家族や友と語らう場に「ずく」出してまきを確保

 愛好家には、まきの確保の難しさなどから、インテリアにしてしまっている人も多いという。そんななか、柿沢さんが所属する同友の会は「使って楽しむこと」「ずくを出してまきを確保する」ことを重視。高齢化で人手不足に悩む果樹農家などに仲間で出掛け、不用な樹木を無償で伐採することで、まきを確保しながら楽しんでいる。
 冬場は休日のほとんどが樹木の伐採でつぶれるが、柿沢さんは「苦労はするけれど、一方でストレス解消にもなりますよ」とにっこり。「自分で汗水たらして確保したまきだから、ありがたみも格別なんです」と話す。
 同会は、松本少年刑務所の職員を中心に、口コミでまきストーブを愛用するようになった仲間八人で結成する。まきの切り出しの協力作業のほか、定期的に会合を開き、家族ぐるみで、まきストーブを囲んで談笑している。「興味のある人であれば、ストーブのない人でもかまいません。ただ進んでまきの切り出しに協力していただける人がいいですね。一緒に楽しみましょう」と話していた。入会希望者やまきの切り出しの情報が欲しい人、処分に困った木を持つ農家の人などは、柿沢さん(電話34・2177)か、同会事務局の丸山さん(電話34・2938)へ。

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