2002年 9月 6日発行 Vol.34
咬合病

 「かむかむ」の29号からの「予防歯科治療」についての具体的方法も、最後の項目の咬合病となりました。
 さて、咬合病とは歯・顎関節・筋肉による噛みあわせの不調和に起因する病気の総称、顎関節疾患の一部などを言います。予防としては、お口全体のオーラルリハビリテーション治療、咬合調整、矯正治療などが有る事は前に書きましたが、まずこの咬合病と言う物が有る事を知ってください。
これは、物を噛むと言う事には(あごの骨も)とそれを動かす周囲の筋肉とそれらを関連付け支えているための顎関節という3つの要素からなる咀嚼系と言うものがバランス良く調和していなければ快適に食生活を送れないのですが、この中のどこか一部分でもバランスが崩れると(元来人間にはこのようなアンバランスを生理的に解決するための適応力が備わっているが、個人の適応力の限界を超えたり、個人の適応力が低下した場合)咀嚼系に病的な症状が現れてきます。
まず咬合の不調和(歯並びの不正や歯の抜けた所を放置したり親知らずが出て来て前方の歯を押す事で、噛み合せが変化したために、お口を開け閉めした時にどこか一箇所が集中して当たる。噛む力が不調和に集中してかかる。食事中物を噛む時にぶつかりうまく噛めない。)が起きると咀嚼系の生理的なバランスを壊すために「歯軋り」「歯の過剰な磨耗」「歯周組織(骨・歯肉など)の破壊」「周囲の筋肉痛」「額関節の雑音・疼痛」「下顎の運動障害」時として「慢性頭痛」「肩こり」「情緒不安定」などが起きると言れています。
 しかし、これらの症状があれば全て咬合病と言う訳ではありません。また、通常咬合病患者さんは複数の症状を持っている事が多く、分類の上では「症候群」としてとらえているため、最近良く耳にするようになった顎関節症の一部(全ての原因が咬合では無い)もこの中に入れて考えます。
 さて、咬合病と言うものがだいたい理解できたとしますと、噛み合せの重要性やバランスのよい咀嚼系の大切さと言うものを考えていくうえで、小さい頃からの予防や、少しでも早いうちに治療するという必要性がご理解いただけると思います。

 「お口全体のオーラルリハビリテーション処置」:これはお口の中の噛み合せのバランスを診た上で、必要な箇所の再治療をしてバランスの良い噛み合せのために「噛み合せの再構築」を図る治療と言えます。(次号へつづく)           院長




健康の維持・増進のためのワンポイント
健康の維持・増進のためには、食事の栄養、運動、休養の3本柱が重要です。その中でも一番取り組みやすい食生活について・・・
食生活の中で土台といえる主食。この主食を元にいくつかの目標を持ちましょう。
1:多様な食品でバランスを
・主食をしっかり、主菜・副菜をそろえて
3:脂肪は量と質を考えて
・脂肪は摂り過ぎない(揚げ物は控えめに)
・動物性の脂肪より植物性の油を多めに
2:日常の生活に見合ったエネルギー
・食べ過ぎ注意で肥満予防
・よく体を動かして
4:食塩を摂り過ぎない
・調理の工夫で無理なく減塩
5:楽しい食生活を
・家庭の味、手作りの心を大切に
・食卓を家族ふれあいの場に
これら大まかな目標ですが、食事+ほどよい運動+休養で健康の維持・増進をはかりましょう。     担当:宮崎


27号から予防歯科について取り上げてきました。今や、世界の中でも最長寿国と言われる日本の中で死ぬまでイキイキとした生活を送るために、上段にも栄養士の宮崎さんにワンポイントを書いてもらいましたが、食事での栄養をしっかり採るためには、きちんとかむ事のできる口(歯)が大切なのです。
健康なしっかりとかめる口(歯)を維持するために上手に予防とコントロールをしていきましょう。
とうせい歯科も皆様のホームドクターとして少しでもお力になれる様努めたいと考えています。わからない事や相談等、些細なことでも結構ですから、声をかけてみて下さい。

                     大場