槍ケ岳山荘からの電送。

『山小屋便り』 平成22年10月28日掲載


零下2度以下の寒風の中、じっと西鎌の滝雲を見いる外人登山者。

彼は、一昨日には、北穂の頂上にいて、昨日は、悪天を避けて徳沢に下山、27日に
は、槍ヶ岳に再度登ってきて、

頂上に立ち、中岳の先まで遠足に行き、翌日天気が良ければ、北穂に行きたいと言っ
ていた。

あいにく、夜半から、雪が降り、5センチくらいの積雪になり、上高地下山と言って
いた。たまたま再度横尾で会うと、
吹雪の中を歩いてきたのに「こんなに素晴らしいところは、離れがたい。これから蝶
が岳に登る」と言っていた。

日本人には、見えない日本の山のすばらしさが、外国の人には見えるのではないかと
思ってしまう2日間でした。

槍ヶ岳山荘 穂苅 康治