槍ケ岳山荘からの電送。

『山小屋便り』 平成21年12月3日掲載


11月28日に慈恵医大高木二号館講堂にて、設置者の栗原敏学長のご挨拶にはじまる慈
恵医大槍ヶ岳診療所の開設60周年記念式典が開催されました。

慈恵山岳部OBの野村忠男先生と創業者穂苅三寿雄との交流に始まった慈恵医大槍ヶ
岳診療所は、昭和25年に開設されて以来、多くの登山者の怪我や病気のお世話をして
きました。開設当時には、山荘内において盲腸手術をしたことがありましたが、今年
は、槍ヶ岳の頂上からの下山途中に滑落で頭部や腰に大怪我をされた登山者に山荘滞
在中の医師、看護師のボランテアにより診療所の酸素、点滴、生体モニター等の器具
を使用して、夜を徹した治療と看護がなされました。さらに翌日には、天候不順のた
めヘリが山荘まで来れず近隣の山小屋のスタッフが寄り合い人力搬送の末、大曲から
の県警航空隊による献身的な救助作業により、無事松本市内の病院に入院されるとい
うことがありました。

しっかりした設備と関係者の善意の結果、多くの登山者の方の安全が守られているこ
とをお知らせしたくて、番外編を書きました。

関係者の皆様には、これからもよろしくお願いします。

槍ヶ岳山荘 穂苅 康治