槍ケ岳山荘からの電送。

『山小屋便り』 平成19年4月25日掲載

20日入山以来、除雪機の不調など些細なトラブルはあるものの順調に小屋開け作業
が進んでいます。
今日は天気も良いので、槍沢の旗竿立てを行いました。
晴れている時は気持ちの良い槍沢の雪渓の登りも悪天時に霧に巻かれると何の目標物
もない真っ白な雪原に代わり、方向感覚を完全に失ってしまいます。
槍沢では大曲りから槍ヶ岳山荘まで目印用の旗竿をおよそ20m間隔で立てています
ので安心して登ることができます。
新穂高温泉側は27日に通称「宝の木」より上部に同じように旗竿立ての作業を行う
予定です。
雪の少ないシーズンと言われていますが、4月に入ってから寒い日が続いているため
に稜線では例年よりも多いくらいです。
また、21日〜22日に降った湿った雪やみぞれが稜線では完全に凍り付いていてア
イゼン無しでは立っていられないような状況で、槍の穂先も例年以上に雪や氷が多い
状態です。
槍沢や飛騨沢から槍ヶ岳山荘までのルートは特に問題となる状態ではありませんが、
稜線を縦走したり槍の穂先を目指す場合は今月いっぱいくらいは十分に注意してくだ
さい。

槍ヶ岳山荘
穂苅康治