槍ケ岳山荘からの電送。

『山小屋便り』 平成17年4月28日掲載

いよいよ今シーズンの営業開始となりました。
それに先立って、昨日は槍沢登山道、今日は飛騨沢登山道のポール立てに行ってきました。
まだ登山道が雪に覆われたこの季節はガスが出たりして視界が悪くなるとどこが道だかな
んだかわからなくなってしまいます。(いわゆるホワイトアウト)
例年、槍沢登山道のポール立ては行っていたのですが、昨年は飛騨沢を登ってきた登山者
がルートを見失って大喰岳方面へ登ってしまい、遭難騒ぎになる事例がたくさんありました。
それを受けて、今年から飛騨沢にもポールを立てることにしました。
飛騨沢上部・通称:宝の木と呼ばれる大喰岳西尾根末端(標高2400m)のダケカンバ
から上部から目印用のポールを立てています。
好天時にはどこを登っても楽しい雪の沢筋ですが、いったんガスられると小屋の従業員で
すら道に迷ってしまいます。
そのような時はこのポールを目印に登ってください。
なお、竹竿は1mくらいは雪に突き刺していますが雪解けが進むと抜けたり倒れたりします。
そのような状況を発見したときは周りのポールとの間隔を考慮しながら差しなおしていた
だけると助かります。
遭難事故防止のために登山者の方々の協力もよろしくお願いします。
槍ヶ岳山荘


旗竿立て

宝の木

飛騨沢上部から見上げる槍の肩(左)と大喰岳(右)