槍ケ岳山荘からの電送。

『山小屋便り』 平成15年11月18日掲載

長野県、長野県山岳総合センターの企画による県下全域の山岳ガイド(山案内人)に
対する初めての研修会が、15日、16日に大町市にて開催されました。15日には、
(社)日本山岳ガイド協会事務局長磯野剛太氏による「山岳ガイドに求められる役割
等」と題して山岳ガイドの歴史的認識、顧客を守るガイドのあり方、業務形態、セル
フレスキューのあり方、ガイドの要件、今後の課題等のお話、
更に、愛知学院大学大学院法学科長、(社)日本山岳ガイド協会副会長湯浅道男氏に
より「山岳事故と法的責任問題」という今日的話題をわかり易くお話いただいた。
16日には、前文部科学省立山山岳研修所長、大町山岳博物館長柳沢昭夫氏をチーフと
する文登研スタッフによる実技研修が行われた。
15日の参加者は県下全域から70名を越え、16日の実技研修も約50名ということで、主
催者の予想を超える参加者があり、関係者の意識の高さが、感じられた。
小生も、山小屋の経営者でガイドはしていませんが、北アルプス山案内人組合連合会
の1員であり、また、ガイド協会の役員でもありますので15日の会に参加して来まし
た。
今後このような研修会を通じて、ガイドの皆さんのレベルの向上が図られ、また、社
会的地位も確立されていくことが、ひいては、長野県山岳観光のソフト面の発展の礎
となり、さらに滞在型観光のバックボーンになっていくものと期待しています。
槍ヶ岳山荘 穂苅康治