槍岳山荘からの写真電送。

『山小屋便り』 平成14年8月20日掲載

平成12年から稼動している無線による山小屋救急ネットワークが,活躍しました。
16日大天井岳の付近で落石を受け右足首に打撲傷を負った登山者が,大天井ヒュッテに
収容されました。無線ネットワークにより患部の映像を慈恵医大槍ケ岳診療所に送り、
ヒュッテでは診療所のボランテアで勤務していた医師の適切なアドバイスが得ることが
できました。登山者は,翌朝民間ヘリコプターによって、無事病院に搬送され最終的な
検査や処置を施されました。また、診療所の所見が、事前に病院の救急部に送られまし
たので、病院側の受け入れもスムーズに行われました。
このシステムは、長野県情報技術試験場と信州大学医学部医療情報部、豊科日本赤十字
病院、北アルプスの山小屋の有志等により運営されており、槍ケ岳山荘,蝶が岳ヒュッテ、
北穂高小屋、大天井ヒュッテ、常念小屋等に無線機がおかれています。
このシステムが、実際に稼動した例として、報告させていただきました。
穂苅康治