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今春、二年に一度の保険医療制度の大改正『歯科診療報酬の改正』が行われました。昨年からいろいろと噂されていた保険制度発足以来の最大マイナス改定が現実となり、また一昨年の日本歯科医師会の不祥事に端を発した「かかりつけ医、初診・再診料」が廃止となった事は、一応現在の日本の経済状況や小泉首相の掲げる『聖域無し制度改革』の中での時代の流れとも取れなくはありませんが、これが決定されるまでの中医協での話し合いの内容は、医療の現場や実態を無視した経済政策優先の「医療費削減策」でしかなく、マイナス3.16パーセントと言う発表報道の数字の根拠はどこから来る物なのか甚だ疑問が残る所です。ある情報筋の試算では、多分半年、あるいは一年後にはマイナスの実態は6〜8パーセント位、最悪10パーセントを超えるだろうとも噂されております。
今回、「かかりつけ医、初診・再診料」を廃止した上、初診料は従来の低点数に戻し(もともと一物二価と言う問題の有る制度であったが・・・)、文章発行や患者さんからの同意と書名の取得など、時間や手間隙かかる状況はそのままに、「かかりつけ初再診料」の関係加算項目も削減。さらに今回は文章の発行項目や新規の患者さんよりの署名項目も増やしました。まさに臨床の現場を知らない者が作ったとしか思えない規則と成りました。
(当医院は、「かかりつけ初再診料」に対し疑問を持ち、制度発足後2ヶ月で算定を取り止め、現在まで説明・同意義務は尊重して来ております。)
日頃の診療時間内で歯科治療の時間を割愛しながら説明と同意を優先している現在だと言うのに、益々歯科治療時間を奪われ文章作成に専念専念しなければ成らない事態と成って来てしまいました。当然今までよりも診療後の会計業務や文章を印刷発行してお渡しする時間も掛かるようになった為に、今までよりもお待たせしたり、お帰りになるまでの時間が掛かるように成る事は止む負えません。以前から、「歯科医院は患者を待たせる!!」というお叱りの言葉を頂く上で、決して本意では有りませんが、本制度が4月より施行された以上保険医として従わざる負えません。
誠に申し訳ありませんが、ご理解とご協力をお願いする次第です。
それにしても、今回の制度改革の意図は、本当に「患者さん本意」と言うような患者さんの為になる医療制度改革なのでしょうか?それとも日本歯科医師会の不祥事に対しての報復手段としての歯科医師いじめ、もしくは増加した医療機関潰しでの経済効果を狙っての事なのでしょうか?日本の保健医療の今後が心配されます。 |
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〔院長〕 |
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