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現代の歯科医療が目指すものは、21世紀の予防医療の中における「予防歯科医療」である事は以前にもお知らせして参りました。病気に成ってからの対応よりも、成らない為の知恵と、現在の健康を維持強化する為の行為の方が、いかに価値が高いかという事は、多くの人々が認める事と成って来ています。以前から行われている成人病予防のための人間ドックや行政や会社が実施する定期健診も早期発見早期治療により重症化を防ぐ為のその一端ですね。
さて、歯科においての最近の医療情報によると、心臓病(心筋梗塞)や脳血管障害(脳溢血)などの原因の一つに『歯周病菌』が関係していると言う事が新聞や健康雑誌、またはテレビ番組の話題に取り上げられる様になってまいりました。(アメリカでの発表は今よりも10年位前に言われ始めておりました。)また、妊婦さんの場合は歯周病を治療していない方は、低体重児(未熟児)出産につながると言う報告も有ります。
こうなって来ると『たかが、歯!』、『されど、歯!!』ではありませんが、「歯の一本や二本位無くても死にゃ〜しね〜わい」「歯が黄色くたって歯石があろ〜が別に痛くも痒くもないぜ!」と言っていた方々は?・・・放置しておいても良いものでしょうか?
お口の問題は全身の中の一部である以上無関係という訳ではないようです。歯肉炎を放置して置くと歯周炎(昔は歯槽膿漏といったりもした)に移行していきます。歯周炎を放置して置くとやがて重症化して行く事で歯槽骨(歯の根を支えている周囲骨)の破壊が進み血液やリンパの流れに沿って体中の至る所へ歯周病菌が廻っていく事になります。そこで、住み着いた病原菌はやがてプラーク(バイオフィルム)を形成して血管壁の腫脹と血管内の空隙を狭めていく事になります。その結果血流の流れは悪くなり停滞したり詰まる事となり、恐ろしい病気の前兆となるようです。実際にはどの位の確率で関与していたかと言う事までは各研究機関のデータで違いが有るようですが、以前にアメリカでの報告による血栓部分で歯周病菌が見つかったと言うニュースの頃と比べ現在はほぼ医学の常識に成って来ております。また、糖尿病患者さんにとっても治りにくい歯周病が、なんと最近では、糖尿病を引き起こす原因の一つであると言う報告さえもささやかれ始めています。はたして真意の程はまだ時間が浅い為、今後の研究と報告を待たなければ成りませんが、どう考えてもお口の中の歯周病予防対策は全身の健康管理の上でも大変重要だと言う事は間違えないようです。皆様は定期健診とメンテナンスの実践をお願いします。 |
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(院長) |
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