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最近この言葉を目にしたり聞いたりすることがあると思いますが、皆さんはこの言葉の意味がどの様な事かご存知でしょうか?
これは医療全般の中で、保険で受けられる「保険診療」(医療費の一部を患者さん本人、その他の部分は加入している保険者の団体が支払う)に対して、保険で適用にならない医療を「保険外診療(自由診療)」(医療費の全額を患者さん本人が支払う)と言いますが、これを同時(混合)に行うという意味なのです。
本来、医療保険制度の上では一部の例外「特定療養費制度(保険の適用とは言えるものの一部保険者の負担で大部分は患者さんの負担)、差額ベット料など」を除いて、保険診療と保険外診療を同時(混合)で扱うことは禁止されております。保険制度で決められた治療行為(保険の中で決められた診療項目、それ以外は保険外)の支払いの上、更なる保険外の支払いが行われることに対して禁止しているのです。これが今回の法改正では同時(混合)に行っても良いというものなのです。
これの目的としては、なかなか保険の中に入らない診療項目(保健薬の認めが無い薬など)を医療の中で行った場合、その関係する医療行為すべてが保険適用からはずされて保険外になる現状から少しでも患者さんの負担を減らそうという事や保健医療を受けている患者さんに対し早く効果の有る薬を、適用を待たずに使用していけるという時間的な問題解決にもつながる反面、医療財源が逼迫している現在、これを期に今までの保険適用の部分も保険から外して混合診療(特定療養費制度のような形)の部分に置き換えるということも懸念しなければなりません。患者さんに対して受益者負担という考えがこの背景に有るようですが、本来の保険制度の考え方から外れて、ただ経済的な問題や保険制度が存続していくためには仕方が無いという理由で被保険者の負担ばかりが増えるのも医療を受ける立場としてはいかがなものか?と思います。
まだ、はっきりとはこの【混合診療】の問題は答えが出ておりませんし、法案も通って確定したわけではありません。しかし来年頃にはこの方向に流れが行ってしまいそうなのです。誰のための医療なのでしょうか?本来の保険制度の成り立ちからすれば、健康な国民一人一人の集まりがあってはじめて健康な社会が成り立つと思うのです。
今後この【混合診療】解禁の問題について、いく末が案じられる思いです。 |
(院長) |
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