2003年 2月 6日発行 Vol.39 編集:大場・林


 今回は、入れ歯で日々の食事を楽しく、さらに、美味しく食べれるようにするための、お口のケアについてお話したいと思います。
 歯ぐきや口の粘膜に対して、入れ歯による異常な圧迫や摩擦、不安定な噛み合わせ、不適合な金属製のバネ(クラスプ)などにより周囲の粘膜は、常に繰り返し刺激を受ける事で、長期にわたり不快な症状が生じます。その結果、表面が傷つきます。これがいわゆる”褥瘡性潰瘍(ジョクソウセイカイヨウ)”と言われているものです。あともう一つ重要なことは、入れ歯の表面にネバネバしている汚れいわゆる”デンチャー・プラーク”が口臭や、さまざまな病気の原因となる場合があると言う事です。
 これらの事を少しでも予防する方法として、”褥瘡性潰瘍”に対しては、原因が入れ歯による場合は、まず入れ歯の安定状態がどうか、傷の部分に入れ歯が食い込んでいないか特定の場所が当たっていないか等確認する必要がありますので、歯科医院に来院した方が良いでしょう。
 もう一つの”デンチャー・プラーク”ですがこれは、食べ物の食べカスと、そこに繁殖している細菌の塊で、例えば歯や歯の周囲に付着している歯石や歯垢と同じような物であると思って頂けると分かりやすいと思います。まず、部分入れ歯が汚れている場合に考えられる事は、入れ歯の他に、残っている歯や歯の周囲の歯ぐきも汚れている事が多く、虫歯や歯肉炎、歯槽膿漏になりやすいお口の中の環境は口臭の原因となります。
 そして総入れ歯の場合は、汚れ部分が内面や周りの縁の部分にあると、入れ歯の周囲の粘膜に炎症が起きやすくちょっとした入れ歯のこすれから、上で述べたように”褥瘡性潰瘍”が発生する事もありますので、入れ歯を外した時のお口のなかの状態はどうかを常に観察することが大切です。
 入れ歯を外した時のお口の中の観察ポイントとしては、歯の状態(虫歯があるかどうか?根だけ残っている歯はないか?歯がグラグラしている歯はないか?)歯ぐきの状態(赤く腫れていないか?血や膿が出ていないか?歯垢や歯石がついていないか?強い口臭を感じないか?)入れ歯の状態(人工歯や金属のバネが壊れていないか?)を、常に観察する事が重要となり、専門家による定期検診が不可欠となります。
 毎食後の入れ歯の手入れも必ずして頂きたいと思います。入れ歯のお手入れの方法としては、入れ歯をはずして、入れ歯を入れ歯用歯ブラシに研磨剤が含まれていない入れ歯用歯磨き剤で磨き洗いします。その時に注意して欲しいことは、入れ歯が壊れないように、水をはった入れ物、洗面器などの上で洗い入れ歯用洗浄剤を使いお手入れしてください。部分入れ歯の場合は、金属のバネが付いていますのでそのバネの部分を入れ歯用歯ブラシで磨いてその後、部分入れ歯用洗浄剤でお手入れをして下さい。入れ歯のお手入れしない場合、上でお話したような状態になることもありますので、常に入れ歯のお手入れを心がけて下さい
 夜寝る前は、噛み合せの問題などがない場合には入れ歯をはずして水につけておいてください。お口の中からはずした入れ歯は、必ず水につけておいてください。水につけて置かないと、入れ歯が乾燥してしまい変形して入らなくなったり、こまかいひび割れができて落としてしまった時に壊れやすくなりますので、お気をつけください。
(副院長:佳江)




 高齢になると消化液の分泌や、腸の運動能力の低下などにより消化吸収能力が衰えてきます。献立を考える際には、できるだけ消化の良い食品を選びたいものですね。今後のお料理の参考にしてみてください。

  消化の良い食品 消化の良い料理 消化の悪い食品
肉類 ヒレ肉・鶏のささみ ロールキャベツ・そぼろ煮 ベーコン豚ばら肉(脂肪の多い肉)
魚介類 鯛・カレイ・鯵・鮭 煮魚・刺身(貝類を除く) 鰯・サンマ・イカ・貝類
卵類 鶏卵 茶碗蒸・卵豆腐・温泉卵 すじこ
牛乳・乳製品 牛乳・ヨーグルト・チーズ グラタン・シチュー  
豆類 豆腐・糸ひき豆腐 湯豆腐・白和え 大豆・枝豆
野菜・イモ類 人参・大根・カボチャ・ジャガイモ・白菜 煮物・温野菜・マッシュドポテト ごぼう・たけのこ・れんこん・セロリ
果物 バナナ・リンゴ フレッシュジュース 酸味の強い果物
油脂類 良質バター・植物油   ラード・ヘット
穀類 うどん・マカロニ・白パンのトースト おかゆ・煮込みうどん 赤飯・玄米飯・胚芽入りパン
菓子類   カステラ・プリン・アイスクリーム  
担当:林



 3月3日、ひな祭りの頃になるとずいぶん春めいてきますね。そこで、春らしい良い食材を使って、華やかで栄養バランスの良いちらし寿司を作ってみてはいかがでしょうか。
:材料:(4〜6人目)
米3カップ だしこぶ15cm しいたけ4個 ゆでたけのこ100g さやえんどう50g
れんこん70g にんじん50g サラダえび100g 卵3個 菜の花50g のり2枚
:作り方:
@米は、1時間前に洗い、水31/4カップ・こぶ・酒大1を入れる。A合わせ酢(酢大5・砂糖大3・塩小2)を混ぜておく。Bしいたけはもどして、もどし汁1/4カップ・砂糖大11/2・みりん大1を加えて煮つめ、せん切りにする。にんじんはせん切りにし、ひたひたの水・砂糖少々・塩大1を加えて煮つめ、せん切りにする。にんじんはせん切りにし、ひたひたの水・砂糖少々・塩少々で煮る。たけのこは2cm角に切り、だし1カップ・砂糖大1・しょうゆ大11/2で煮る。
Cさやえんどうはせん切りにしてゆで、ざるに上げて塩・みりんを振る。 Dれんこんは花形の薄切りにし、酢を入れた熱湯に入れ、色が変わったら甘酢につける。飾り用に何枚か残し、後は細かくきざむ。 E菜の花は塩ゆでして、飾り用に切っておく。 F卵は薄焼きにしてせん切りに、 G米を火にかけ、煮立ったらこぶを出し、炊く。寿しおけにとり、合わせ酢を振って混ぜ、あおぐ。 Hのりはさっとあぶってもみのりにする。 I寿し飯に味付けした材料を混ぜて器に盛り、もみのり・えび・卵をのせ、花形れんこん・菜の花などを色どり良く飾る。
(担当:宮崎)


Q.1 ジェルコートFは、コンクールFのジェル版ですか?
A.1 ジェルコートFは、コンクールFのジェル版として開発されたものではありません。
ジェルコートFは、コンクールFを効果的にご使用頂くための、フッ素入り歯磨き剤として、又、Tooth Cleaning(TC)を兼ね備えたフッ素コート剤(TCコートジェル=新カテゴリーで2Way使用が出来る新しい分野の製品)として開発しました。
口腔衛生の最重要ポイントである殺菌とフッ素による再石灰化の促進を行なうために、コンクールFと、ジェルコートFの併用を是非ご検討ください。

Q.2 ジェルコートFの開発を特に必要と考えたのはどういう経緯からですか?
A.2 コンクールFに配合されている殺菌剤(グルコン酸クロルヘキシジン)および四級アンモニウム化合物(塩化セチルビリジウム・塩化ベンゼトニウムねど)は、【歯磨剤中の発泡剤や研磨剤と拮抗し殺菌効果が減弱する】との報告により、より効果的にご使用して頂くためには、歯磨剤でのブラッシング後30分以上の間隔をあけての洗口は忘れてしまう)がありました。
また、近年は電動歯ブラシ・音波歯ブラシの普及により発泡剤・研磨剤無使用の歯磨剤の必要性が求められておりました。
 この間隔を解決する製品として、ジェルコートFは発泡剤・研磨剤無使用の必要性が求められておりました。
 この問題を解決する製品として、ジェルコートFは発泡剤・研磨剤無配合とすることで、殺菌剤入り洗口液と併用しても、拮抗せず、また、汚れを取る成分ポリリン酸ナトリウムを配合することで、歯磨剤としての効果も得られる処方となっています。
ジェルコートFは、コンクールFのジェル版ではなく、口腔衛生の最重要ポイントである殺菌とフッ素による再石灰化の促進を行なうための【フッ素入り歯磨剤】として、又、就寝前の【フッ素コートジェル】として、コンクールFと併用してご使用して下さい。

Q.3 フッ化第一スズではなく、フッ化ナトリウムを選択したことや、他の成分についての選択の基準は?
A.3 ジェルコートFを開発していく中で、先生・歯科衛生士のご意見を元に、成分を検討したしました。
  1. フッ素効果については、フッ化ナトリウムもフッ化第一スズもフッ素効果は、変わらないが、フッ化第一スズは、スズの成分により、着色や渋み、根管治療をしている人には、刺激を感じるなどの意見により、フッ化ナトリウム(950ppm)を配合しました。
  2. フッ素には、歯の再石灰化の促進と共に、抗菌効果もありますが、フッ化第一スズは、スズにも抗菌効果が期待できるとの報告により、同様の効果を期待して、塩酸クロルヘキシン(0.05%以下)を配合しました。
  3. 歯周病患者への歯肉への効果として、消炎効果のβ‐グリチルレチン酸を配合しました。
  4. 毎日使用して頂く、又、後口爽やか、うがい回数も最小限で済ませることができるように、甘味料は、少量のミントとキシリトールを配合しました。
  5. 配合のキシリトールはフッ素といっしょに歯の再石灰化を促進するとの報告から配合しました。

Q.4 具体的に、患者様へはコンクールFとジェルコートFをどのように併用するよう推奨すればいいのですか?
A.4 効果的な併用例をご紹介します。

例@ ジェルコートFを通常の歯磨剤として使用する方法
【歯垢除去+(フッ素加工)+殺菌剤によるすすぎ】
食後ジェルコートFを歯ブラシに適量つけて、いつものように丁寧にブラッシングを行ないます。その後、コンクールFによる洗口を行ないます。
●コンクールFは、50ml(コップ約1/4)の水に3〜4滴滴下して希釈。このときのグルコン酸クロルヘキシジンの濃度は、約0.0006〜0.0008%です。(この濃度は、口腔内常在菌の最小発育阻止濃度に達します。
●音波ブラシや電動ブラシによる歯面への過度な研磨の心配もなく、また、ジェルタイプなので歯間ブラシや糸楊枝に付けても使用できます。


例A 就寝前のフッ素塗布(フッ素コート)として使用する方法
カリエスリスクの高い人は、就寝前にフッ素コートをするとより効果的です。(就寝中は、自浄効果が低下するのでフッ素効果が持続します。)
(a).【歯垢除去+フッ素コート+殺菌剤によるすすぎ】
就寝直前、まだブラッシングをしていない場合は、上記要領(例@)で行なった後、もう一度、歯ブラシにジェルコートを適量付けて、ジェルコートFの成分が隅々に行き届くようにブラッシングし、その後、コンクールFの希釈液にて1回うがいをします。
(b).【殺菌剤による除菌洗口+フッ素コート+殺菌剤によるすすぎ】
夕食後、すでにブラッシングなどの口腔内清掃を済ましている場合は、就寝直前にコンクールFの希釈液を上記要領で、数回に分けて、成分が隅々に行き届くよう丁寧にうがいをします。(1回分のうがい用のコンクールFの希釈液を残しておきます。)
その後、歯ブラシにジェルコートFを適量付けて、成分が隅々に行き届くようにブラッシングします。そして、先程残しておいた、コンクールFの希釈液で1回うがいをします。(夕食後のブラッシングから就寝までの時間などによる口腔内の汚れの程度により、ブラッシングをコントロールしたり、歯間ブラシや糸楊枝に付けて行なうことも効果的です。)

Q.5 ジェルコートFをフッ素コート剤として使用した場合、1回のうがいをしないといけませんか?
A.5 ジェルコートFは、最低1回はうがいをすることが必要です。
従来のような不便性(フッ素第一スズによる塗布後、30分間はうがいをしない、殺菌剤との拮抗を防ぐために研磨剤・発泡剤入り歯磨剤でのブラッシング後30分してから殺菌洗口しなければならない)を解決し、フッ素剤コート直後、1回のうがいで済ませられるという事は、高い満足度にもつながります。ジェルコートFは、塗布直後でも軽い1回のうがいですませることができ、また成分効果を持続する、という患者様の利便性と効果の点で満足がより得られる処方となっています。(特許出願中)

Q.6 コンクールFとジェルコートFの品質保障期間は?
A.6 約3年間です。