新潟の三条市まで往復350キロいってきました
先日夏の暑い日に車で新潟の三条市にいってきました。

今回はキャンプではありません。前から気になって仕方がなかった人にお会いするために
でかけたのでした。その人は長谷弘工業の長谷川安衛 社長です。

この方はなんとコンクリートでスピーカーをつくっているかたなんですね。
 皆様コンクリートでスピーカーが出来るなんて考えたことがありますでしょうか。だいたい
あんな物でスピーカーをつくってまともな音がするわけがない。コンクリートはビルを作るも
んだ。コンクリートできれいな音が出るわけないと、普通考えます。

それより疑問なのは、だいたい何でコンクリートでスピーカーを作らなければいけないんで
しょうか。昔からスピーカーと言えば木製と決まっているではないですか。音楽楽器でも自
然の材質が多いですよね。それに中に入れた電気の部品が腐食したり、コンクリートは暑さ

    コンクリートバックロードホン

寒さでひび割れてしまいますよね。

私が2年ほど前、池袋の東急ハンズで初めてこのスピーカーを見たときは大変におどろきま
した。やけにいい音がするんですよね。そしてやけに値段が高いんです。

今回社長の会社におじゃましてまずビックリしたのは壁一面に大小のコンクリートのスピーカ
ーが並んでいたこと。アンプはしかも真空管です。(300Bシングルアンプ)

朝の10時におじゃまして4時間あまり音楽を聴きながらいろいろお話をお聞きする事が出来
ました。
そもそもコンクリートスピーカーはオーディオマニアで発明学校の校長をされていた今成氏が
作られ、その後社長が開発を続け平成2年頃に完成したもの。この間の数々の失敗作は家の
庭の土止め石として活用されているとのこと。

      工場前で社長と記念撮影

最初は全部コンクリートで作っていたが、やはり自然の響きが大切という言うことで木とコンク
リートの2重構造になったとのこと。そして最近は各オーディオショー等にも積極的に出品し、
ハイエンドのユーザーから高い評価をうけました。特に98年9月、秋葉原で開催の真空管オー
ディオフェアーに初出展、金賞を受賞したそうです。

 私が特に感心したのはこのスピーカーはすべての行程が手作りであるという事。注文から完成
まで2ヶ月近くかかってしまうそうです。そして最後の仕上げは家具職人さんが丹念におこなうそ
うで、とてもたくさんは作れないそうです。

 しかも中に入れるスピーカーユニットも職人さんの手作りの物なんです。(マグネットはアルニコ)
しかし昨今の不景気で部品が手に入らなくなり、とうとう今の注文の2個で最後になってしまうとの
ことです。

ないと言われると欲しくなるのが人の心ですよね。そのときの私の顔からはきっとよだれが垂れて
いたことでしょう。

 わかってくれる人が買って喜んでくれればいい。この一言に長谷川社長の心意気が感じられまし
た。弦楽器の音が特に素晴らしいですよ。いつか手に入れたら診療室においてみたいと思います。
そのときは皆さんも聞いて見て下さいね。
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