大天井ヒュッテ/大天井岳周辺最新情報
『山小屋便り』                平成22年9月4日 

雲が全くない快晴の朝を迎えました。早朝は冷たい風が吹いていましたが、その後無風状態となり、太陽の陽射しは容赦なく降り注いで真夏に逆戻りといった天気となっています。午後になっても雲は少なめにて、ギンギン太陽が照り付けていました。さすがに3時以降曇りとなってしまいましたが再度暑い夏山になっています。

日本列島高気圧に覆われて、この異常な雨の降らない好天は今日で19日間。更に長引き来週の一週間も晴れが続きそうで恵みの雨はいつになるのか?

大天井ヒュッテでは先月24日に水揚げしてから11日目にて、タンクの水が底をつき今日再び水源に行ってきました。沢の水も流れが小さくなっていてこれだけ雨が降らないとこの水源も涸れてしまうのでは、と心配になってきます。
最初しっかり出ていた水ですが、昼ごろ一回止まってしまい、再度水源まで下ってみるとポンプに接続してあったパイプが、水圧に耐え切れず抜けてしまっていたためのアクシデントでした。
固定しなおし暫くは順調だったのですが、再度トラブル発生。こんどは水量が極端に少なくなってしまい、多分パイプがどこかで亀裂して水漏れ状態となっている模様。ある程度溜まったのと午後のお客様到着時となってしまったため、修理は次回に持ち越しとしました。水源まで2往復は結構キツイですよ。

この天気、天水に頼る山小屋にとっていよいよ予断を許さない状況となってきています。
槍ヶ岳山荘や南岳小屋では節水のご協力を切にお願いいたします。


このセットが水源にあるエンジンとポンプです。
長年働いてくれているエンジンですが今だ健在にて動力としてしっかりと動いてくれています。
ポンプは前々回、槍沢ロッヂにあったポンプを頂戴してきて取り付けたものです。

この場所の標高が約2,250m、ヒュッテの標高が2,650mですから400mの水揚げをしてくれる訳です。
このおかげでタンク容量が小さくとも水に困らない訳で有難い事です。

唯、パイプの劣化によるトラブルが後を絶ちません、パイプの新調は来シーズンですかね。

その水源に下る途中は広いお花畑となっています。
雪融けから約2ヶ月の間に何種類もの高山植物が時期をずらして咲いてきていましたが
いよいよフィナーレを飾るアザミが満開となっています。

トリカブトも最後のお花畑に彩を添えています。

そしてナナカマドの実が赤く熟し出しています。

朝焼けウォッチング

今朝も展望台は賑わっていました。
雲は遠くの雲海のみ、上空は全く雲はなく快晴の朝でした。
こんな日の360度の大展望は遥か遠くの山まで見渡せ満足の朝焼けウォッチングでした。

槍ヶ岳に日が射しはじめて、赤く焼けるモルゲンロートにはなりませんでしたが、
くっきりと浮かび上がった槍ヶ岳は見事でした。