大天井ヒュッテ/大天井岳周辺最新情報
『山小屋便り』                平成22年7月27日 

午前中は、朝方から上空には青空が広がっているのですが、穂高岳方面の稜線には厚い雲がかかっていて稜線は見えませんでしたが、午後には雷雲も育ちだした下に峰々が見え隠れしていました。

「梅雨明け10日」と言いますが
昨日で10日目。
昨日の雷雨も殆どお湿り程度に終わり、17日以降の降水量は極端に少なく殆どゼロ。
こんな天気がこの後も続くようですと心配なのは稜線にある山小屋の水不足なんですね。
登山者にとっては好天続きに越した事はないのですが、命の源となる水が不足してしまうとお客様に提供する水も制限しなくてはならなくなります。一度まとまった雨が降ってくれれば即解消できるのですが、この天気何時まで続くでしょう?

ヒュッテでは、水に関しては雨が降らなくても二の俣谷の沢からポンプアップ出来るため困る事は無いのですが、他の稜線の小屋ではその天水のみに頼っている小屋は多く、水問題は深刻なんです。

今日の天気も晴れ。雲はあるのですが布団もホカホカになるほど良い天気となっていました。それでも午後にはは怪しい雲が広がり4時以降雨が降りだしました。でも一瞬にてほんの少しのお湿りでした。雷もかなり遠くで鳴っていました。

朝仕事を済ませ、大天井岳側の登山道を10分程登った所にある「槍見坂」に行ってみると、それまで隠れていた槍ケ岳の穂先だけが夏の雲の間から頭を出してくれました。
この後暫く稜線は見られました。、

ヒュッテを境に大天井岳側と西岳方面との地質が極端に変わります。
そのお陰で高山植物の生息する種類も全く違っています。
昨日ご紹介した高山植物達は草地に生息する花達ですが、この大天井岳側に咲く高山植物は砂礫地を好んで生息している花達です。

礫地にて繁殖するという事はそれ程水を必要としない植物達ですが、この雨のない天候が続く中では流石にあまり元気がありません。
花達も一雨期待しているのではないでしょうか。

イワツメクサも例年に比べて花芽が少なく、咲いたあと枯れるのが早いです。

コマクサもやはり少し元気をなくしてきています。

こんな岩ばかりのところに良く生息している物ですね。

岩の隙間から顔を出していたチシマギキョウ。