大天井ヒュッテ/大天井岳周辺最新情報
『山小屋便り』                平成22年7月21日 

北アルプスは毎日好天が続いておりますが、こんな好天の夏山でも連日の遭難騒ぎが起こっております。
スリップや転倒による足首の骨折や捻挫等は頻繁に発生。

西岳付近でも滑落事故が1件。救助はされたものの重症をおってしまったようです。
更に北鎌尾根にて行方不明者1名、前穂高岳でも行方不明者1名。等々

連休中よりも登山者は少なくなっていますが、事故の発生は極端に多く感じます。
天候の悪化とか、雷とかにての遭難ではなく、こんな好条件の中での事故って今までにはあまり無いように思うのですが?逆に天気が良すぎるため、暑さにて疲れすぎてしまった事で動けなくなって救助要請を出したケースもあるようです。

スリップや転倒、滑落といった事故は、足腰の筋肉の衰えや、ちょっとした油断が引き起こすため、特に一般的に言われている危険な場所(鎖場やハシゴ等)ではない登山道で起きています。
その殆どが登りよりも下降する時に発生するのです。
山登りは目的地(山頂や縦走最終地)までは、疲れても気持ちが途切れない物ですが、「後は下るだけ」という安堵感と疲労が重なって下降時の何でもないような下り坂で、足がもつれたり、つまづいたり滑ってしまったりと言う事が発生するのです。

お客様に「この先危険なところありますか?」と聞かれる事がよくあります。
私の答えとしては、
「登山道は全て危険な場所ですよ。でも一番危険なのは、ご自身の気の抜けた時が一番危険な場所です。鎖場や梯子のある場所では皆さん緊張しますよね。でもそこを通り抜けた時、ホッとしますね。そのホッとした時が一番危険な場所になるんですよ。」と答えています。

危険を回避する対策としては、まずは日ごろのトレーニングで足腰の筋力を出来るだけレベルアップしておくこと。更に登山道を歩いている間はどんな場所でも絶対に気を抜かないこと、特に下山時ですね。

せっかくこんな好天に山に来られて楽しい登山をしている訳ですから事故なんて誰も起こしたくないですよね。
こういう報を聞きますと私も辛いんです。
登山は計画を立てる時から始まっています。
天候の変化は仕方がありませんが、ご自身のトレーニングや気持ちの持ち方は誰でも出来る最善の遭難防止策です。
準備万全にして、楽しい登山しましょう。

大天井ヒュッテ 小池

今日は2度目の水揚げに行ってきました。
数日前に行ったのに何故?ってお思いでしょうが、実は2,000m繋いだパイプの中に裂傷していたパイプがありまして、前回揚がった水量が3日分程度しか貯まらなかったために、再度新しいパイプと交換して再アップとなったのですが・・・
例年、水場にしている梓川源流の水です。
前回は雪渓に埋もれていたためポンプの設置してある逆の小さな沢から水を取り入れていたのですが、
今回は冷たい美味しい水がふんだんに現れていてくれて採取に成功。

このディーゼルエンジンと小さなポンプが標高差にして400mの壁を難なくクリアーしてくれる頼もしいやつらなんですね。

途中小さな沢を横切るパイプです。
もちろん小屋閉めの時には切り離して保管してあるのですが。

ヒュッテ近くご覧のようなお花畑を通って水が揚がって来ます。
せっかく勢い良く揚がっていた水が1時間もしないうちの再び切れてしまいました。
再度のトラブル発生です。
パイプが途中で切れてしまったか裂傷をおったか。うーん参りました。
また5日間ほどは持ちそうですがそれまでにもう一回チャレンジですね。