大天井ヒュッテ/大天井岳周辺最新情報
『山小屋便り』                平成22年7月16日 

悪天候ばかりの休暇が明けて、午前中ヒュッテに戻って来ました。

散々各地を苦しめた梅雨前線がやっとその勢いを失い太平洋高気圧が支配する気圧配置となってきました。
それも、海の日の3連休にギリギリ間に合ったようですね。

休暇下山したその日は、台風並みの雨と風の朝を迎えた12日でしたね。
中房温泉までの車道が「大雨による通行止め」との事で、急遽槍沢経由〜上高地にて下山したのですが、槍沢ロッジに着いたときには既に上高地線も通行止め。
これは、中の湯(釜トンの入口)まで歩く覚悟を決めて雨の中の下山を決行、槍沢の水量の多さとうねりを上げる濁流に危険を感じながら、何とか上高地まで辿り着いたもののやっぱり通行止め。
高山〜松本の定期バスの最終が中の湯のバス停17時55分。というバスがあってくれて何とか無事松本まで下りて来る事が出来ました。
釜トンを歩いて通行したのって何年前だろう?確か30年以上前ですね。もちろんその時の釜トンは以前の旧釜トンで、それも冬でしたから沢渡から往復とも歩いた事を久しぶりに思い出したりして、少し楽しい歩きとなりました。我ながら良く歩きました。

それにしても、昨日までの雨は異常です。梅雨末期には大雨となる事が多いのですが流石にこれだけ降られると自然の恐ろしさと、人間のせいなのかその自然が少しづつ変わってきているような怖さとを感じずにはいられません。

梅雨明け10日と言い居ますが、ここ数年梅雨明けしても、明けたのか明けないのかさっぱりといった年が続いていましたね、久しぶりにやや平年並みの梅雨明けと同時に暑い夏がやってきそうで、今週末から来週にかけて夏山が満喫出来そうな天気となってくれしうです。
行きたくても雨ばかりのせいで動きの取れなかった皆さん、さー明日からは天気続きますよ。

大天井ヒュッテ 小池

そして今朝、中房温泉を6時半に出発。
安曇野市に入った頃から空が明るくなってきて、合戦小屋付近からは青空も見え出した。
槍ケ岳こそ見えなかったがこれから向かう大天井岳方面は雲はあるのですが、晴れといっても差し支えない好天気となってくれました。

燕山荘からゆったりとした縦走路が続く中で一箇所この蛙岩(ゲエロ岩)は、異彩を放っています。

これが蛙岩と名がついた云われのある巨岩と思われます。
蛙に見えますか?

稜線に残っていた残雪も殆ど消え新緑とお花畑の縦走路となってきています。
高山植物達の開花はこれからと言ったところで、夏山へと変わってきています。

大下りで見かけたホシガラス。
早くも夏を告げるホシガラスが登山道脇で鳴いていました。
これから巣作りが始まるのでしょう。

大天井岳、切通し分岐からヒュッテ方面に100m程来た登山道脇にヒヨコを見守る雷鳥発見。
返ったばかりと思われる雛が3羽確認するも、草むらの中で鳴き声はその倍ほど聞こえ、今後皆育ってくれればいいですね。大天井岳周辺では3番い確認。
昨年秋に良く見かけた牛首展望台の雷鳥はいまのところ確認出来ずです。

私の留守の間、ヒュッテを守ってくれていた昨年までのスタッフブーさん(長谷)が昼過ぎ、私と入れ替わりで槍ケ岳山荘へと出発して行きました。

留守の間に、今年の新人君スタッフのモン(久保田君、左)とシュー(帰山君、右から2番目)に仕事を全て伝授してもらい、さーて明日からの3連休、更にこれから始まる夏山のシーズンを、フル回転で頑張りますので、宜しくお願いいたします。
皆様のお越しをお待ちしております。

ブーさん本当に有難う御座いました。