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『山小屋便り』              平成21年9月 3日 

夜明け前、北鎌尾根へと、向かうお客様を送り出すために玄関に出てみると、星空となっていて南の空にて流れ
星も見られるほどの天気に快復していました。
その後日の出の時刻には厚い雲が空一面に広がってしまい、曇りの一日となって午後からは雨も降り出しまし
た。
そんな天気でしたからヘリの荷揚げが心配だったのですが、午前10時頃飛んでくれ、その時にはガスが切れて
いた二の俣谷には、ヘリが下げ荷を吊るし上高地へ向かった直後から谷底から湧き上がるガスによって視界は
ゼロとなっていました。
正にその瞬間しか運んで来れないタイミングの良さにビックリさせられました。

次回のヘリは約2週間後。それまでの燃料から食料から、必要な機材、等々。無事到着してホッと一安心。
発注した商品や、差し入れ品や、家族からの荷物やら、新鮮な野菜やら・・・ヘリの日は山小屋にとって特別な
日なんです。
これで当面の皆さんの食料もOKです。

このガスの隙間をぬって飛来するヘリコプターは、北アルプスを縦横無尽に飛び回る東邦航空の
ヘリコプター「ラマ」です。
吊り下げている荷物小さいように感じるでしょうが、ドラム缶1本、ガスボンベ1本、それに食料も入れて
総重量は約600kg。
40年程昔は、人力によるボッカにて運ばれていた荷物ですが、ヘリに頼るようになって、その速さ
(冷食や野菜)の恩恵を授かり、人力ではおぼつか無い重量の物(ドラム缶200kg、ガスボンベ90kg)
等の荷揚げを一片にこなす事ができ、しかも安全に運ぶ事が出来る素晴らしいシステムを構築しています。

手前の荷物が上がって来た荷物で、ヘリに取り付けている荷物が下げ荷(空になったドラム缶や
ガスボンベ、空き缶、空き瓶、不要となった物等)です。
何れも撮影はスタッフの梅田君でした。