大天井ヒュッテ/大天井岳周辺最新情報
『山小屋便り』                平成21年8月28日 

前線の接近に伴いどんよりとした厚い雲の一日となっています。
先週から続いていた好天も今日から変わり、前線の通過と共に今夜から明日にかけて久しぶりの雨とな
りそうです。
その後も暫くの間ははっきりとしない天気が続きそうです。

今日は、とても元気な76歳のお二人をご紹介をします。
北鎌尾根を目指して山仲間4名にてヒュッテに着いたのが26日2時頃、休むまもなく貧乏沢の下降点の
偵察に、戻って来るなり「ビール下さーい。」と、とても想像出来ない76歳は京都から来られた川端さん。
前日夜行で、自家用車にて中房温泉着、その日にヒュッテに着いてからの行動ですよ。
昨日北鎌尾根へ早朝出発して行きましたが、山荘に到着していないため心配をしていましたところ、午
前10時頃無事山荘着の一報が入りホッと一安心しました。
北鎌平にてビバークしての登頂だったようです。
とても76歳には見えない、現在も岩登りのトレーニングも近隣での山行トレーニングも常にしていらっし
ゃるとかその動きや顔つきからは60代前半にしか見えないスーパーマンでした。

もう一人の76歳は、神戸から来られた湯浅さん。
烏帽子岳のブナ立尾根を登って裏銀座コースから槍ケ岳に登り、更に表銀座コースを中房温泉まで5日
間の大縦走にて、仲間6名にて最後の宿泊場所としてヒュッテに来られた湯浅さん。
到着後、ラジオの短波放送を聞きながら天気図を作成。
昔は山登りをする登山者は皆、天気図を自ら作成し解読していた事を思い出させてもらいました。
現在では、携帯電話からでもネットを見れば正確な天気図が即座に見る事が出来、狭い範囲での天気
情報も瞬時に判るようになっていますが、確かにこういう基本的な事はとても大切で、長期間山に入って
いて情報の無い所での天気判断はとても重要な事と思います。
常に六甲山にてトレーニングしているとの事。
とても穏やかな顔立ちの湯浅さん、夕食時に赤ワインを飲みながら「顔が赤ワインになっちゃう。」と笑っ
た笑顔が素敵でした。

このような元気いっぱいの大先輩にお行き会いしますと、私もそのパワーを分けて頂きもっともっと頑張
らなければと嬉しくなりますが、果たして自分は76歳の時山登りなんて出来るだろうか?とてもとても
無理のような気もしますが、川端さんや湯浅さんを高い目標に一日一日頑張ろうと思います。

お二人に感謝です。一年でも長く登山続けて欲しいと願っています。

昨日は赤岩岳周辺の高山植物をお届けしましたが、今日はヒュッテ近くのお花畑に咲いている高山植物
をご紹介します。

大天井ヒュッテ 小池

ヒュッテのお花畑は今、トリカブトとアザミが7部咲き。
これからが見頃のお花畑となっています。

残雪が残っていた場所では、遅咲きのハクサンフウロがお花畑を形成しています。

ウサギギクはぼつぼつ最後です。

コガネギク(ミヤマアキノキリンソウ)は至るところで咲いています。
ミヤマモンキ蝶の蜜を吸う姿を良く見かけます。

タカネニガナ。

シロバナノクモガニガナ。

コウメバチソウ。
ヒュッテ前のお花畑にて満開です。

オヤマリンドウ。
鮮やかな紫色は目を引きます。
この花が咲き出すと夏の終わりを実感します。

クロトウヒレン

ミヤマヤナギ。

アザミと大天井岳西稜ピーク。