大天井ヒュッテ/大天井岳周辺最新情報
『山小屋便り』                平成21年8月11日 

昨日お約束したとおり、朝焼けの写真送ります。

台風9号と早朝の地震が重なった、静岡県を中心に東名高速が不通になる等被害が拡大しているようですが、
ここ北アルプスでは快晴の朝を迎えました。

牛首展望台には、早朝急いで発つ多くのお客様を除いて、昨日悪天のため連泊されたお客様と雨の中ヒュッテ
まで足を伸ばしてくれましたお客様が、数名登りました。
展望台に着くと目に飛び込んできたのは天上沢に広がる雲海とビックリ平付近から二の俣谷へと流れ出る滝雲
の壮大な光景でした。
更に、槍ヶ岳の上空高く下弦の月が輝き、天上沢の雲海と上空の雲と月とがマッチングして「絵にも書けない美し
さ」とは正にこのような事を言うのでしょうか?

そして、「ワヲー!!」の声に振り向くと大天井岳が噴火し始めたかのような錯覚を覚えるほどの朝焼けが目に飛
び込んで来ました。

その後槍ケ岳を照らし出した朝日は槍ケ岳〜穂高岳まで赤い山脈を作り出してくれたのです。

丁度その頃、ここ展望台でも地面の揺れ動くのを感じゾッとした時間でした。その時にはこれ程大きな地震だった
とは解らなかったですが、被害にあった皆さんには早急の快復を祈っております。

私達がヒュッテに下った後も残って写真を撮っていたお客様3名は、この後見事に虹色に光るブロッケンも見る事
が出来たと大喜びで下りて来ました。

大歓声と大満足の朝焼けショーも見られたお客様達は「もうこれ以上の物は見られないと思うから下山してもいい
くらい」と言い残してそれぞれの今日の目的地へと向かって行きました。

大天井ヒュッテ 小池

牛首展望台に着いてみると、天上沢を覆い隠すように雲海が広がっていました。

その雲海が比較的低いビックリ平を乗り越えて二の俣谷へと流れ出る滝雲が見られた。
槍ケ岳上空には下弦の月が光り、天上沢に広がる雲海とのミックスは見事な光景を見せていました。
大天井岳の上に広がっていた雲がまるで噴火の如く真っ赤に焼けた瞬間は歓呼の嵐でした。

雲は徐々に消え出し太陽が槍ケ岳に当る瞬間を見ていました。
久しぶりのモルゲンロートは何度見ていても感動します。

5時8分大きな揺れを感じ、地震の発生を確認できたのがこの直ぐ後でした。
青空に白く光る月と槍ケ岳。
この後最後まで残っていた3名のお客様はハッキリと虹の円を描くブロッケンまで目撃でき「最高の朝」を実感して
槍ケ岳方面へと向かっていかれました。