『山小屋便り』 平成21年7月18日 | |
朝から降り続いていた雨は残念ながら午後も止むことなく降り続きました、どうも明日も引き続き雨具の要る天気 となりそうです。3連休だと言うのにガッカリですよね。 北海道大雪山系トムラウシ山と美瑛岳の遭難は2パーティー、1個人の計10人の死亡という今までに例を見ない 大遭難となってしまいました。亡くなられたご家族の皆さんに思いを馳せると共に、何故このような事故が起こって しまったのか? 亡くなられた原因が低体温症と言う事。大雪山系特有の雄大な地形、遮る物のない自然の中で天候の悪化、強 風、大雨、気温の低下。凄まじい光景が頭の中に浮かびます。 私は行った事はありませんが、北海道の山小屋は避難小屋のみで、しかもその小屋と小屋の距離の長さは北アル プスでは考えられない程のようです。 はたして、きちんとした装備や食料を準備していたのか?それなりに名の通ったツアー会社とガイドが付いていて の事故だけに信じられない気持ちでいっぱいです。 原因の究明、事故になってしまった要因はこれから検証されると思いますが、この事が他人事でなく、ここ北アルプ スでも、何時起きてもおかしくないということを知っておいて欲しいと思います。 ここ何回かの低気圧の通過時での強風、強雨は、稜線において想像を絶する自然の力を感じます。更にこれからは 雷の発生は当たり前の夏山に突入します。 登山は、計画する時から既に始まっています。自身の体力の強化、トレーニング、無理のない山行計画(日程表)、 装備、食料どれが欠けても、危険を伴う事になりかねません。どうぞ今一度見直し、万全な物にして楽しい登山を しましょうよ。 山は、早出、早着が基本と言いますが何故でしょう? 北アルプスでの夏山の一番怖いものは、雷です。夏山のパターンは朝快晴、昼ごろから稜線がガスって来て3時〜 4時頃、雷雨。と考えてください。 つまり、早朝から歩き出し、天気の良いうちに目的地に着くのが一番安全な登山方法であるのです。 よく「山小屋には3時〜4時までには入りましょう」と言いますが、もちろん山小屋の準備等の都合もあるんですけど、 一番は登山者の安全のためなのです。 登山は苦しいけど楽しいものです、楽しい登山を実感できるように準備は怠りなくしてください。 私からのお願いです。 今日は一日中雨のため、15日の北鎌尾根からの帰り道、東鎌尾根で写した高山植物の写真送ります。 こんな高山植物を楽しく見られるのも準備を怠らなくしてこそですよ。 大天井ヒュッテ 小池 |
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東鎌尾根で群生しているアオノツガザクラ。 | |
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西岳の二段梯子上に咲くツマトリソウは花びらの縁がピンク色になっていてここでしか見られません。 | |
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赤岩岳東側斜面にはシナノキンバイとハクサンイチゲの大お花畑が見られます。 | |
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タカネヤハズハハコ | |
コバイケソウ | |
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赤岩岳付近の一箇所だけに咲くクロユリ。10株程咲いていました。 | |
ハクサンチドリ | |