『山小屋便り』 平成21年7月15日 | |
15日の早朝の晴れ模様は、大天井岳のある安曇野地方に近い山のみだったようで、槍ケ岳や穂高岳の 3,000mの稜線は、飛騨方面から湧き上がるガスに覆われて視界10m程度の濃霧になっていました。 更に強風が吹き荒れていて、飛ばされそうになりながらの北鎌尾根となってしまいました。 尾根の写真は殆ど撮れずに帰って来ました。 今回、濃霧の中を歩いてみて、ルートファイディングの確実性、安全性、危険度(落石を受ける、スリップやバラ ンスを崩す等)の少なさ。更に天気が良ければ景観は良く、開放感のある歩行。尾根通しにルートを取るメリット を再認識しました。 独標のトラバースや岩峰の巻き道は仕方ないと思いますが、P14以降の尾根を避けるトラバースルートよりも、 稜線に沿ったルートをお勧めいたします。 大天井ヒュッテ 小池 |
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貧乏沢入口のハイ松帯から見た独標。裏側のガスが気になりましたが、早朝は良い天気だったんです | |
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貧乏沢の下りは、例年の通り浮石が多く足元注意です。 雪渓の残雪状況は、昨年よりは少な目ながら例年通りに残っております。 装備としては、ピッケル、アイゼン何れかか、両方お持ち下さい。 | |
浮石の多いガラ場から見た上部雪渓。約500m斜度20度〜30度程度です。 7月いっぱいは、残りそうです。 | |
貧乏沢下部雪渓は700mの残雪。 長さは例年並みですが厚さは昨年よりも多いです。8月お盆近くまで残りそうです。 | |
北鎌沢の入口。水量多めでした。 | |
北鎌沢右俣は、雪渓が2箇所残っていましたが、例年一番斜度のきつい上部の雪渓は後わずかしか残っていま せんから連休前に問題なく通れます。 水の確保は、北鎌沢のコル近くまで出ていましたが、早めの補給をして下さい。 | |
右俣下部雪渓。約50m残っていますが、薄く後1週間もすれば融けると思われます。 | |
この沢の分岐は右側を登って下さい。 | |
北鎌沢に辿り着く最後の沢の分岐点です。解り難いかも知れませんが写真の中心部の草つきの 岩稜にルートを取って下さい。 よくここの右の沢を詰めて大変な思いをされる方が多いです。又事故も発生しております。 | |
天狗の腰掛を登る頃からは、濃いガスと強風に悩まされましたが雷鳥の雄には2羽面会する事が出来ました。 | |
北鎌尾根の高山植物は例年に比べると咲き出すのが遅いようです。後1週間もすれば満開状態になりそうです。 南斜面のお花畑はそれなりに咲き始めていました。 ミヤマオダマキ(紫)、シコタンソウ(白)、タカネスミレ(黄) | |
東鎌尾根をヒュッテに戻る頃、独標〜北鎌平まではガスが消えていました。 登る時にこのくらいの天気であれば良かったのですが・・・ この後3時以降大粒の雨となりました。 | |
明日は、北鎌尾根で出会った今年の高山植物をアップしようと思っています。 ちなみに今日16日の天気ですが、素晴らしく澄んだ青空と太陽の暑い日ざしが午後まで覆っていました。 予報ではこれほど良い天気になるとは思っていませんでしたので、嬉しい誤算です。 お陰さまで全部の部屋の布団はフッカフカの状態にて連休迎えられそうです。 まだまだ梅雨前線がうろうろしそうですが、夏山の時期も猛直ぐです |