大天井ヒュッテ/大天井岳周辺最新情報
『山小屋便り』 平成19年7月10日掲載

今週は天気予報を見ますと雨マークが一週間。梅雨空の合間をぬって天気が持ちそう
だった9日に北鎌尾根の偵察に行ってきました。

貧乏沢
残雪多めです。ガラ場の下から上部雪渓が500m続き、下部雪渓は約700mあり
ました。完全に雪融けとなるのは8月になるでしょう。7月の登山予定されている皆
さんは自分の裁量でピッケル、アイゼンの有無を決定してください。
それ以外は例年と変化はありません。

天上沢
北鎌沢入口の堆積されていた岩や砂が大水の影響か大きく削り取られていて、今まで
の様子と随分変わっています。大きなカラマツを目安に入口を見つけてください。

北鎌沢右俣
左俣との合流点にはデブリで残った雪が残っています。上部雪渓も20m程残ってい
ましたが、どちらも後1週間もすれば消えてなくなるでしょう。
ルートは今までと変化は見られませんが途中あった古いザイルはなくなっていまし
た。

北鎌沢コルから独標
ルートに変化はありません

独標
今回は独標トラバースルート途中から独標ピークに直接出るコースを選択しました。

多人数のパーティーや他のパーティーが居た場合には落石の危険がありますから避け
て下さい。
独標ピークは是非立ち寄って下さい。本当にいい場所ですよ。

独標〜北鎌平
例年と変わりませんが崩壊した岩や浮石はとても多く手がかりや足場はくれぐれも慎
重に扱って下さい。

北鎌平〜槍ヶ岳
例年と変わりありません。
最後のチムニーの上で岩が大きく口を開けていました。いつになるか解かりませんが
チムニーが消えてしまうほどの
崩落があるかも知れません。
大天井ヒュッテ 小池

貧乏沢上部雪渓は不安定なガラ場下から500m程残っていました。

下部雪渓は700mあり7月中は残りそうです。
雪渓下りに自信のない方はピッケル、アイゼン携行して下さい。

天上沢は雪融けの豊富な水が流れています。

天上沢の右岸を少し登ると2,3人なら絶好のビバークサイト岩小屋があります。
私も時間があればここでビバークしたいと考えながらいつも通り過ぎています。

北鎌沢の出合は大水によって堆積していた土砂がえぐり取られた状態になっていて、
今までとは随分変わっていました。これを見ると河原でのビバークは怖いですね。

北鎌沢右俣の最上部雪渓です。1週間もすれば消えるでしょう。

天狗の腰掛までの急なハイマツ帯に雷鳥が居ました。

P8への登り途中(約2650m)で独標の雄姿が見られる。右のピークは天狗の腰掛。

天狗の腰掛(P9)

独標のトラバースルート

トラバース途中から独標ピークへと登るには途中ご覧のような大きな
チョックストーンが目安となります。
但し踏み後は全くなく落石も頻繁に起きますから大勢のパーティーや
他のパーティー等居る場合は回避した方がいいでしょう。

独標ピーク5m下、千丈沢側から見た北鎌尾根と槍ヶ岳。

独標ピーク。ここで天気のよい日にビバークしてみたいですね。

P14基部から始まる千丈沢側の巻き道。
踏み跡は途中何本かに分かれていて行き止りの踏み跡もあり。

P15への稜線伝いの登り。
浮石が多いため、下部巻き道を行くパーティーが居ない事を確認してルートを選んでください。

P15付近から独標を振り返る

北鎌平へも稜線がお勧め

P15ピークからは槍ヶ岳の頂が目の前に現れる