大天井ヒュッテ/大天井岳周辺最新情報
『山小屋便り』 平成18年 8月17日掲載

13日お盆の初日、ヒュッテの午後は混雑して1回目の夕食が始まる頃1人の登山者
が入ってきて「二人ですがお願いします。」と。宿泊カードを書いてもらってもう一
人が着くまで受付は待ってもらい、宿泊のお客様の食事を出して・・・一回目が終了
して2回目の食事になってもまだもう1人が現れない。
そうこうしている内に6時半を回り7時になっても現れない。流石に心配になってき
た。

聞けば、中房温泉から合戦尾根を登り、燕山荘から蛙岩までは一緒だったが、調子が
悪いと言う事で蛙岩のところで午後2時半に分かれたとの事。自分は大天井岳を登っ
てヒュッテに下ってきた。もう1人は切通しの分岐から直接ヒュッテに喜作新道を来
る予定だとか。
2時半から7時、4時間半もたっているのにまだ着かない。遅くに着いた登山者に聞
いても「そんな人は見なかったですよ。」の返事。燕山荘や大天荘に問い合わせても
消息はつかめず。外は暗闇に覆い尽くされいよいよこれはヤバイ。7時半、豊科警察
署に「遭難届け」の電話を入れ詳細を報告中に「こんばんわ」と玄関で呼ぶ声が。
えっ?ようやく辿り着いた張本人。登山道を間違えて常念岳方面へ行ってしまったと
か。まずは無事で何より「良かった良かった」ですんだ訳ですが、家族から警察から
各山小屋とそれぞれに心配をかけておいて、「明日は北鎌に行く。」と言うので更に
ビックリ。
注意をして北鎌は取り止めさせましたが、今後、皆さんもこのような事が起こらない
ように、何故このような遭難騒ぎになってしまったのか原因を幾つか拾い出して見ま
しょう。

1・2人パーティーでありながら、個々勝手に別行動をしてしまった事。
(このようなケースは良くあるんです。他の人より早いからといって先に歩いてきて
ヒュッテに早く到着して待っているとなかなか他のメンバーが来ない。よく確かめて
みるとヒュッテではなく大天荘の方だった。何てことも。)

2・地図を持っていないのか見ないのかルートを事前にチェックしていない事。しか
も北鎌に登ろうとするくらいの人が
(このようなケースは、特にツアー客の皆さんとか大勢のグループ登山の参加者には
ままあるのですが、この頃は単独の登山者や初心者の登山者にも多い傾向にありま
す。)

3・危機意識が希薄な事。
(やはりこのような状況下では自分が無事である事の連絡を早く取る必要がありま
す。今回の場合は、燕山荘から大天井岳を越えて常念岳方面にまで行ってしまってい
るので、大天荘を2回通過している訳で危機意識があれば連絡の方法はあったはずで
ある。携帯の場合は通じる場所と通じない場所があるのでチェックしながら通じると
ころを探す事も考えてください。)

今回の騒動では以上大きく3点の原因が考えられます。参考にして戴いて、自分達が
同じ過ちを犯さないようお願い致します。

お盆中は快晴の毎日でしたのでその時収めた風景送ります。
大天井ヒュッテ 小池

牛首展望台からの槍ヶ岳

8月15日早朝北穂高小屋が朝日を反射させ光っていました。

空気が澄んでいて立山、剣岳が鮮明に望めました。

秋を感じさせる空ですね。