大天井ヒュッテ/大天井岳周辺最新情報
『山小屋便り』 平成17年 8月24日掲載

夕食の時間、お客さんと談笑をしていた午後5時半頃、それまでガスッっていた
ヒュッテの周りが明るくなってきて窓から外を覗いて見ると、裏銀座の稜線が徐々に
ガスが取れだしてくっきりと見えてきたではありませんか。
空の雲の残り方と稜線上の雲の切れ目から「これは絶対に夕焼けになるぞ」と思い、
お客さんに牛首展望台に誘ってみました。牛首展望台に登るには普通の歩き方で15
分〜20分程かかります。最初から急登ですので疲れてヒュッテに来られているお客
さんにとっては酷な登りではあるのですが、カッパを着てカメラを持って牛首展望台
に向かいました。後を追って数名のお客さんが展望台に登ってきました。

夕焼けショーの始まりは6時15分頃からでした。展望台からの展望は下に雲海を控
え上空には高積雲が広がり、その中間に太陽が沈みだし、真っ赤に染まっていく空
と、穂高〜立山までの広大な稜線のコントラストに皆で感嘆の声を張り上げて、この
自然の作り出す光景に見入っていました。
辛い思いをしてまで登ったお客さん本当に良かったですね。

やっぱり秋の山はこれですよね。夏のように花はなくなるけど、寒さも増すけれど、
台風もやってくるけど、秋にはこれがあるんです。
紅葉までにはまだ少しの期間が必要ですが、こんな夕焼けはこれから9月にかけてが
一番多いはずです。雲の演出にも注目ですね。
大天井ヒュッテ 小池

牛首展望台に登ってみると雲海が広がり、その向こうに、
左から烏帽子岳、立山、剣岳、針ノ木岳、蓮華岳。その奥に後立山連峰。

牛首展望台で夕焼けを待つ宿泊された仙台から来られたお客様達。

待ちに待った夕焼けショーの始まりです。

夕日に染まる大天井岳。

牛首展望台まではヒュッテから急登を15分、一緒に登ら
れたお客さんは一様に驚きの歓声をあげシャッターを切っていました。

槍の穂先だけが雲の中

槍ヶ岳から穂高連峰の3000m以上ではレンズ雲がつながって山頂を隠していました。

北鎌尾根の稜線と残照。小槍までは確認出来るのですが。最後まで穂先は姿を見せませんでした。

三俣蓮華に沈む夕日。すぐ左が黒部五郎岳、右が鷲羽岳とワリモ岳。

ヒュッテに戻る最後の一枚です。ヘッドランプを持っていかないとあっという間に真っ暗になってしまいます。