『山小屋便り』 平成17年 8月23日掲載 | |
昨日は午後から風雨が強くガスも濃く行動すること自体が危険な天気となってしまっ ていたので、3時頃に到着したお客さん以外は皆計画変更を余儀なくされ途中の山小 屋にて行動打ち切り、と思いきや、宿泊客の夕食を済ませ自分たちの夕食準備にかか ろうかという午後6時半、「すみませーん」と玄関にひとり。びしょ濡れで「寒い、 寒い」を連発。ストーブの点いている部屋に入れ、話を聞けば4人パーティーで後の 3人はまだ30分くらいかかると言う。今の時期7時頃までは明るいのですがそれ以 降、(特に昨日のような天候ではあっという間に暗闇がやってきて真っ暗になってし まいます。)7時前にもうひとり、あとの二人はまだ後30分くらいかかりそうだと いう。7時が回って闇夜が近づきヒュッテからの登山道に人影は見えず「これはやば い」と。 表銀座の登山道を歩いたことのある人ならお分かりでしょうが、大天井岳への分岐か らヒュッテまでのトラバースの登山道が一番危険で険しいことを。 雨足はさらに強くなり暗闇が支配しても到着しないため、レスキューの準備をして出 発。ヒュッテから100メートルのところで二人に会うことが出来ホッとしたのです が、真っ暗だというのにヘッドランプも出さずに歩いていてつい怒鳴ってしまいまし た。 聞けば、合戦尾根で1人が足を攣って万全ではないこと、燕山荘の山小屋の人に制止 されたにも関わらずヒュッテに向かったこと。燕山荘を午後2時半に出た事。(燕山 荘からヒュッテまでは通常コースタイムで3時間はかかります) 「予約をしてあったので。」この行動に至った原因だそうです。 山小屋としては予約をして頂く事はその日の準備する人数を予想出来るため非常にあ りがたく、特にパーティー人数の多い方たちにはお願いしていますが、予約されない お客さんも多く、通常午後3時から4時くらいまでに到着頂ければ問題はありません し、予約してあるからといってこのように無理をして遭難にでもなったらどうしよう もない訳でして、どうしても遅れてしまいそうなときは前の小屋からの一報はありが たいし、そのような配慮をお願いしたいと思います。 未明にかけて大降りだった雨も朝方には小雨になり、前線も南下して穏やかな天気に なりそうな感じです。昨日のお客様も其々に出発して行きました。 大天井ヒュッテ 小池 |
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ヒュッテを出発して行く登山者 | |