『山小屋便り』 平成17年 7月14日掲載 | |
北鎌沢の登りは、貧乏沢を下った後の急な約600メートルの急登となります。ト レーニング等していても貧乏沢の下りに使う筋肉と神経は相当に疲労している筈で す。天上沢を15分程遡行した後にすぐにこの登りは辛いものがあります。さらに独 標までの登りはもっと神経も体力も消耗します。今日のようなこんな気晴らしの出来 る天気ならまだしも、ガスッっていたり雨が降っていたり風が強かったりしたら、そ の疲労度は倍増します。 独標からのルートは更に更に体力、集中力、判断力等が求められます。 北鎌尾根を登るには体力(地図に記されている登山道コースタイム以内で歩ける)が 必要です。それも荷物は15kg以上は背負って、一日歩き通せる。これが最低限の 条件です。 その次に岩登りの技術ですが、確実な三点確保で3,4級程度の岩場を人に頼らず攀 じれる力が必要です。 そしてもうひとつ、ルートファイディングの力。これは、経験するしかないのです が、印の付いた整備された登山道を歩いているだけでは身に付きません。沢登りをす るとか、登山道の無い尾根歩きをするとかして自分で身に付ける以外に無いのです。 それでも登りたいという方は山岳ガイドをお願いしたり経験者に同行したりとする訳 ですが、体力と岩登り技術は絶対に必要になります。でないと同伴者に迷惑をかける 結果になります。 楽しい登山にするためにも以上の点をもう一度ご確認下さい。 大天井ヒュッテ 小池 |
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北鎌沢右俣(1850m付近)昨年までは無かった滑滝が出来ていました。 のっかていた岩が落下したと思われます。 | |
今年の北鎌沢右俣は昨日までの雨の影響か水量が非常に多く一箇所軽いシャ ワークライミングを強いられました。 | |
例年ですとこの上に最後の雪渓が残っているのですが今年は北鎌沢右俣に雪 は残っていませんでした。 | |
残置ザイルは今年も残っていますがボロボロでもう絶対に使わないで下さい。 | |
稜線直下の最後の分岐です。どちらを登っても10m程登った所から中央の 岩稜にルートを取れば自然に北鎌沢のコルに導かれます。 今回はここまで水が出ていましたがこんな事は珍しいですから水の補給は早めに。 | |
北鎌沢のコル直前のお花畑。 | |
北鎌沢のコルには雪笹の大群生地がありました。 | |
このお花畑にはクロユリの花が無数に広がっていて百株以上は有にありそう な勢いです。(約2500m付近)。 | |
独標の雄姿にはいつも圧倒される迫力があります。天狗の腰掛にて | |
独標の中央にあるバンドが一般に使われているトラバースルートです。 遥か遠くに槍の穂先と子槍が見えます。 | |
独標の頂上からの北鎌尾根から槍ヶ岳。槍ヶ岳は何処から見ても絵にな りますが北鎌尾根の槍ヶ岳も素晴らしいですね。 | |
独標頂上からの大天井岳と手前にいつもご紹介している牛首展望台があり、 大天井ヒュッテはこの中間のコルに建っています。 | |