『山小屋便り』 平成16年7月26日掲載 | |
昨日、一昨日と北アルプスはもちろん全国的に雷雲が立ち込め各地で事故や遭難が 相次いでいます。ここ大天井岳でも24日午後登山者の一人が雷を受け今現在病院に 搬送されましたが意識不明の重体が続いています。私自身今までに雷による怖い体験 は何度かありますが、落雷をまともに受けてしまった人を見たのは初めてでその凄ま じさに圧倒されました。 では、山に来て雷に遭遇したらどうしたら良いのか?という事ですが、雷の落ちや すい場所とはどういうところか考えて見ますと、高い場所、誘導体(金属等)、アン テナ・・・等思い浮かびますが、人間自体にも落ちやすいのです。 比較的平坦なこの縦走路において(燕岳から西岳)。また全ての縦走路ではその殆 んどが稜線となっています。その平坦な登山道に人間が立っていたらそれは雷の思う 壺ということになります。 雷が近づいてきたら、とにかく低い場所、岩陰等へ移動し身を伏せ雷が行過ぎるの をジッと待つ。ということが大切です。そうすれば大丈夫とは言い切れませんが雷の 影響を受ける確率はグッと下がります。 もうひとつ雷は殆んど午後から発生します。特にこの時期の夏山は2時から3時頃 までには目的地に到着するような計画を立てて安全登山に心がけてください。 この雷の発生しやすい状況は何日か続きそうですので充分に気を付けて登山計画を 立てて下さい。 写真は、喜作レリーフのある切通しのコルと燕岳方面と大天井岳方面。 この事故を教訓に二度と同じような事故を起こさないように、そして被雷された登 山者の早期回復を心から祈っております。 大天井ヒュッテ 小池
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切通し、大天井側から。(左側の尾根上に落雷) | |
切通しから大天井岳への登り | |
喜作新道切通しのクサリと梯子 | |
雷で剥き出しになってしまった鎖の支柱 | |