大天井ヒュッテ/大天井岳周辺最新情報
『山小屋便り』 平成14年8月27日掲載

 8月21日、北鎌の危険個所の偵察に行って来ました。今回は天気も良く快適な登山でした。その時の写真と危険個所をお知らせします。 一枚目の写真は、貧乏沢を約300メートル程下った所のガラ場です。
二枚目は右から落ちる滝です。二箇所とも落石に注意(過去に何人かの怪我人有り)。
三枚目は貧乏沢の下部を下る夫婦。
四枚目は北鎌沢の出合いから200メートル程のところで左俣と右俣に分かれ、狭い右俣を登ります。間違って左へ入ると残雪有り(要注意)、また水はここで汲んでおく事。
五枚目は右俣を登る4人パーティー。右俣上部は小さく支流に分かれているが、右側にルートを取って積めるとコルに出る。コルから独標まではハイマツ帯の急登を踏み後にそって登ると六枚目の独標の岩壁が姿を現す。この独標は右の千丈沢側をトラバースする。
七枚目と八枚目は独標トラバース中の5人パーティー。
九枚目は稜線に出てから独標トラバース中の三人パーティーを撮ったところです。この3枚の写真が格心部です。(岩登り経験必要)
十枚目は独標の頭より槍ケ岳と北鎌尾根を写したところです。ここからは、稜線をそのまま進んだり、千丈沢側を巻いたりとルートファイディングが要求される所です。天気の良い時でも何時間も費やす登山者が多いところです。尾根どおしに登ってもトラバースしてもどちらでもいいのですが、踏み後が多いため迷います。
最後の写真は北鎌平からの槍ケ岳です。ルートは尾根上に直上し最後にチムニ−が出てきます。ここはあまり中に入り込まずに右側を登るのがコツです。違うルートもいくつかありますがこのチムニーが一番登りやすいと思います。あと20メートルで槍ケ岳の祠のところへ出てきます。
以上、北鎌の詳細ですが、今年の夏は本当に沢山のパーティーが北鎌に入りました。当然の事ながら事故や遭難も増加しております。
北鎌を登るためには、日ごろのトレーニング(体力、岩登り、ルートファイディング、)が絶対に必要です。
大天井ヒュッテから頂上まで5時間もかからない人もいれば2ビバーク以上もしてしまう人も居ます。もちろん天候に左右されますが、計画する前にもう一度自分が北鎌に挑戦出来る技量を身に付けているのか?再検討し、万全の準備をして北鎌に来て欲しいと願っています。そうすれば北鎌も暖かく迎えてくれるでしょう。
大天井ヒュッテ  小池