南岳小屋・管理人の日本最高所のオンライン日記


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2001年9月21日(金)〜30日(日)

日付 今日の出来事
9/21 今日、休み明けで登ってきました。登路に使った横尾谷の紅葉の状況は「最新情報」でご確認ください。そっちにも書いていますがまだ紅葉には少し早いようですが、「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り今日から急に寒くなり初雪となりました(積もるほどではありませんでしたが)。残暑と秋の冷気分ける前線がようやく南下し、これからは朝晩の冷え込みも強まり紅葉も一気に進みそうです。
尚、私の留守中にいつもHPを見ていただいている方から「日記に天気も載せて欲しい」とのご進言を頂きましたが、これについてはHPのトップページの日記のすぐ上に「南岳気象情報」として過去3日間の詳細な情報を掲載しています。これは3年前からやっているうちのレギュラーコンテンツですのでまだ気がついていらっしゃらないかたは是非参考にしてください。
9/22 今朝は冷えました、朝の気温はマイナス6度です。水を貯めているドラム缶にも厚さ1cmの氷が張りました。昨日の雪は北アルプスでは積もらなかったのですが、ここから見る富士山は7合目以上がきれいに雪化粧していました。天狗原のナナカマドの紅葉もあと一息といったところです。などというのは今日の「最新情報」に載せているのですが、まだアップされていないようですね・・・。また後日確認ください。
それよりもさすがに三連休!来ましたねお客さんが。この小屋では一応50名を大入りの目安としているのですが、それをオーバーしたのは実に一ヶ月ぶりとなりました。昨日までは多く来てもせいぜい10数名という生活に慣れ切っていたので少しびっくりです。だいたい9月以降に50名を越えるお客さんというのが過去にはなかったことですから。 まあこれも今日の秋晴れのおかげでしょうかね、昨日のような天気だったらこんなには来ないでしょうから。とはいえこの日記を書いてる午後8時には外の気温はもうマイナス7度です、ああ寒い。
9/23 今朝、またキレットで滑落事故がありました。これで今年のキレットにおける死亡者は3名です。例年なら一人いるかいないか程度ですから、うれしくない大幅な増加になります。 現場は飛騨泣きを越え、北穂に向かうごく普通な岩場でさして危険ともいえないところですが、バランスを崩したのか足を滑らせたのかはわかりませんが落ちた場所が悪かったようで、垂直に近い岩場を200m程落ちてしまったようです。 ここからは遺体回収の様子を双眼鏡で覗いていただけですが、きっと遺体はもう人間の原型をとどめていなかったことでしょう。
どうして今年はこんなにキレットでの事故が多いのでしょうか?今までは「さあ、これから大キレットだ!」と気を引き締める人が多いことからルートの難易度の割りには事故の少ないところだったのですが・・・。私が思うに、いわゆる最近の中高年者の登山ブームが始まってから登山を始めた人たちがある程度経験を重ね、「さあ、次はいよいよ大キレットに挑戦!」という人たちが多い時期ではないのかと思います。 十分な経験を積んでないとは言いませんが、剣や八峰・不帰などの難所を経験しただけで「さあ、次は大キレット!」というにはやっぱりここの大キレットはむつかしいのかもしれませんね。
9/24 真夏並みの賑わいを見せた三連休も最終日となり、稜線上には人の姿がめっきりと減り、再び静かな秋の山となりました。 今日は天狗原方面の紅葉状況の確認のために中岳まで行ってきました。天狗原(標高2500m)から槍沢上部(2300〜2400m)の紅葉ポイントは色付いてきていますが、まだエンジ色といったところでしょうか。燃えるような真っ赤になるにはあと3〜4日かかりそうです。 南岳から見下ろす本谷左俣の大キレットカール(2600m・昨秋10/6の最新情報参照)はすでにいい色具合になってきていますので明日か明後日にでも行ってみて、HPに様子をアップしようと思います。
9/25 こんちわっ!三度、増山です。
今日はマネージャーと一足お先に紅葉を撮影してきました。
っと言っても本谷の紅葉(2600m付近)ですので、皆さんの歩く天狗原や槍沢の紅葉はまだ少し早いと思います。紅葉は3日で100メートル進むといわれるので、おそらく今週末から来週にかけてがいいんじゃないでしょうか?
この時期、こんなところに足を踏み入れる人はホントに数人だと思います。マネージャー曰く、「ここの紅葉は日本でも3本の指に入るくらい早くから楽しめる!」との事で、今年は僕もその数人に仲間入りさせて頂いちゃいました。
\(^_-)\
ホントに綺麗で“紅葉の宝庫”でしたよぉ!お裾分けの写真は「最新情報」に掲載されますので是非ご覧下さい。う〜ん、伝わるかなかぁ・・・あのスッゴイ紅葉・・・・・。もちろん写真は小屋に帰ってすぐにPCに取り込んだんですけど、さすがに実物の紅葉を見て来た直後ではちょっと物足りない気がしちゃいますネ・・・・。(^^ゞ
歩きながら二人で「タマリませんなぁ!」の連発。疲れを忘れて歩いた気がします。申し訳ないっスけど、これはやっぱ小屋にいないと味わえないと思いました。地球からのささやかな贈り物を満喫した1日でした。 では、再見!

9/26 四度増山です。あれ、連日か?
今日は「裏・南岳HP」が完成致しましたので、その「ご報告&宣伝」をさせて頂きます。実はコンテンツがまだ物足りない気がするんですけど、僕がもうすぐ下山という事もあり“どうせならここから載せたい”と思って取り急ぎネット上に載せました。クドイようですがこれは個人的なHPなので関係者しか分からない話題もあるかと思います。しかし、出来る限りお答えしますので質問・リクエスト等がありましたらご連絡くださいね。
では、(^.^)/~~~
9/27 今日の稜線付近は一日中ガスと強風の肌寒い一日でした。ただそういった冷え込みのおかげでガスの合間から見える紅葉はドンドンとすすんでいるようです。数日前はまだ2500m付近だった紅葉ラインも2300mあたりまで下りてきているようで斜面のダケカンバも黄色く色付き始めています。 この週末からは本当に紅葉の見頃を迎えることでしょう。しかし、最近は紅葉の話題ばかりですが、なにしろ旬の短い季節モノですからかんべんしてください。
この週末あるいは来週以降に山に出かける方は装備だけには注意してください、稜線付近は本当に寒いですから。詳しくは気象情報をみていただければわかりますが、すでに下界の真冬並みの気候ですし、いつ雪になるかもわからないのがこの時期の山の天気ですから。くれぐれも悪天を突いての無理な行動で疲労凍死なんてことにはならないようにお願いします。
9/28 最新情報にもあるように、今朝は初の積雪となりました。去年の9/27(これまた去年の最新情報見てね)とほぼ同じですね。まあだいたい初積雪というのはこのころですが。去年は地元・信濃毎日新聞の夕刊社会面をメールで送った画像で見事に飾ったのですが、今年はどうでしょう?いまいちキレイに撮れてないんですよね、去年ほどは。 話は変りますが、昨日のお客さんには「明日は雪ですよ」と宣言したら、早めに下山しちゃう人や「本当かい?」と信じない人が多かったのですが、それくらいわかりますって。じゃなきゃ、「南岳気象情報」だなんて自信持って公開しませんよ。(但し、気象予報士ではありませんので、web上では天気予報はしていません) でもね、夜はけっこう激しい雨で「ヤバイ・・・」と思ってたら朝5時頃からめでたく雪となったわけです、よかった。
まあ、その雪も午後にはすっかり溶けてますので、今後の山行を計画されている方には問題ないと思いますが、これからはいつ雪になってもおかしくないのが3000mの山です。くれぐれも装備は万全に、気象情報には注意を払ってください。
9/29 今日の午前中は紅葉の撮影に天狗原に行ってました。詳しくは最新情報の画像を見ていただくとして、やっぱり天狗原はキレイですね。あそこの紅葉は天下一品です。できることなら一日ノンビリとしていたいところなのですが、なにぶん仕事(HPの写真用)ですので走って下って、写真を撮って小屋まで駆け上がるという合計2時間の強行軍です。 それでも7年程前に会長(穂苅貞雄)の撮影のボッカに付き合って、一日ゆっくりと撮影ポイントは教わってるので要点は押さえてるはずです。
今日は槍沢ロッヂから西沢君が遊びにきてて、酒を飲んでますのでこのあたりで・・・
9/30 今日は久々に荒れ模様の天気です。朝のうちに槍ケ岳山荘からのお客さんが通過しただけで午後からは人通りもパッタリです。午前中こそは枕カバーや布団の襟布の洗濯などの小屋閉め作業をしていましたが午後からはやることもないので映画「ホワイトアウト」を見てました。
さて、なんだお前達仕事もしないでなにやってんだと言われそうですが、こういう時は「ここに小屋があって、人がいる」というその存在そのものが仕事であり・意義であると勝手に解釈して一日中ゴロゴロとすることにしているのです。(意味不明!?)


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