この5連休の山の状況は一言でいえば、「異常」。 これで片付けられるでしょう。 今日も南岳は小屋とテントの宿泊者で200名オーバー。 他の小屋の状況ははっきりとは分かりませんが、 どこもとてつもない異常混雑ぶりのようです。 槍などは連日の定員(650名)オーバーで、 受付待ちの行列が100m続いてただとか、 夕食の最後の時間が夜の9時だとか、10時だとか・・・ 涸沢はテントが600張りだとか・・・ そんな話がお客さんの会話から聞こえてきます。 幸い南岳は両日とも収容数の1.5倍程度。 1畳サイズのお布団に2名の割での客数で済みました。 (もちろん談話室や廊下にも布団は敷いていますが) ギリギリのところで「1畳3名」という基本的人権を無視した状況にならずに済みました。 許容範囲内での大混雑、自分を褒めるのもなんですがこれを「勝利」と呼びたい。 お客さんが多ければいいってもんじゃない。 たくさん泊まってもらっても不快さや不満を残してはそれは「負け」。 そう痛感した4年前の秋の連休の大混雑、あの時は「敗北感」に呆然自失だった。 そういう意味で8月下旬の段階から「混雑情報」を流して 利用者を牽制しつづけた効果があったと思います。 もちろん連休直前の「記録更新!?」なんて記述も本心は利用を抑えたいもの。 お手伝いをしてくれる友人の手配、販売・営業メニューの絞り込み、制限。 この連休をとにかく無難に乗り切るための手筈はすべて尽くして臨んだつもりです。 小屋に張り出した「特別のお願い」も利いたようです。 皆さんとてもマナー良く、宿泊者全員が心地よく過ごせるよう協力いただけました。 特にトイレの使い方がとてもよかったように思えます。 (普通は100人も泊まれば、トイレは惨状と化しているものです) ただ、南岳の利用者に対して申し訳なかったことは ビールやジュースなどの飲料系を品切れにさせてしまったこと。 これってマイナスポイントデカイですよね。 自分が客だったら「なんじゃ、そりゃあ!」と文句を言いたいところです。 常日頃、ジュースは売切れにしても「ビールだけは切らすな!」 と自分に言い聞かせているつもりでした。 小屋の営業が残り3週間。 ここで連休に台風でも来ようものならとんでもない不良在庫の山を築きます。 そうはならないように、かつ「ビールだけは切らさない」つもりで注文を出していたのですが、今回の「異常さ」は想像をはるかに超えていました。 改めて、「ビール売り切れ」で失望感を与えてしまったお客様にお詫び申し上げます。 10年近く前、「海の日3連休」制度創設初年度に各地の山を襲った超大混雑。 登山人口の減少の中で、「もうあんなことはないだろう」というのが 山小屋関係者の間の認識でありました。 しかし今回の秋の5連休はその認識を根底から覆すような事態となりました。 次の秋の5連休は6年後の2015年だそうです。 その時は果たしてどうなるでしょうか・・・ |