9月5日(水)

天気(午前) 天気(午後) 最低気温 最高気温 雨量(前日18時〜当日18時)
晴れ 霧時々雨 9.0℃ 11.2℃ 3mm

槍穂高を西側から望む笠ヶ岳へ「北アルプス山小屋協会」の研修登山で出かけてきました。
毎日、雲海の向こうに、また夕日沈む山として眺め続けた笠へ初めての登山です。

笠は眺めるだけで登ることは一生ないかなあ、と思ってたけど
今回は地元の「飛騨山小屋協会」主催の研修登山でもあるので参加した次第です。

ただ、当初の予報では台風接近で心配していた天気もご覧の青空。
しっかりと念願の槍穂を西側から眺めることができたのです。
笠新道の入口から標高差1100mの急登の
連続を登りつめた着いた「杓子平」。

でも目指す笠はまだまだはるか画面の左でした。

残暑厳しい中でのあの急登は高地民族である
山小屋衆にはたいへん厳しかった。

私なんかは標高2000m以下へ
下りたのは実に7週間ぶりです。
あの暑さには参りました。

「お客さんて偉いね」
そんな会話をしてました。
やっとたどり着いた稜線から望む笠ヶ岳。

冒頭の写真もそうですが、
こうした念願の風景に出会えて本当によかった
そして笠ヶ岳山荘到着。
その後は延々と飲み会が続きました。
もちろん飲みながらも小屋の細部の視察はみんな行います。
驚いたのは山荘がすごくきれいだったこと。
そして明るくゆとりのある広さでゆったりと作られ、細かな気配りも抜かりなく施されていた。
いろいろ勉強になりました、これからの小屋運営の参考にさせていただきたいと思います。
 
 

しっかりと交流を深めた翌朝は壮麗な夜明けで迎えました。
今日は台風の影響で天気は厳しいかと思ってただけに、
この風景を目に出来て本当にうれしかったです。
ちなみに左端が槍ヶ岳、真ん中の雲が流れ込んでいる凹部が大キレット、
そのすぐ左隣が南岳で右側に続くのが穂高連峰となります。
皆さんは鏡平経由新穂高へ下山ですが、
私は稜線通しに南岳まで帰りました。

途中、何度も何度も振り返りながら笠を見る。

本当に憧れに違わぬ良い山でした。
またいつか再訪の機会があれば良いのですが
途中の秩父平から見る大キレットと穂高連峰

この秩父平もいつも双眼鏡で覗いてた場所。
こじんまりとした美しいカールで
ここも憧れに違わぬ良い所でした。

本当に良い天気の中、
終始槍穂を眺めながら歩けた二日間。
天気の心配をしていただけに
この巡り合わせには感謝しました。
そして双六小屋越しの鷲羽岳。
これも定番の構図なのでしょが、
実際に目にするのは初めてです。
なにぶん、山小屋で働いていると登山シーズン中に他の山へ行く機会は皆無に等しい。
小屋の営業期間中に他の小屋へ出かけたのは10年ぶり。
槍穂の他の小屋や信州側の山や小屋へシーズンオフに出かける機会はあるけども、
西鎌尾根を歩いたのは13年ぶりくらい。

山登りは汗かくし、大変で辛いけどやっぱりなぜだか気持ちいいですね。
今回は久しぶりにお客さんの気持ちで山登りを楽しめました。

登山シーズンもあと一ヶ月少々となりましたが、みなさんいろいろお出かけください。
笠ヶ岳も南岳同様、遠く高い山ですけどとてもいいところです。
ぜひ一度お出かけください。
 (一晩お世話になった御礼に宣伝します)