10月8日(日)


天気(午前) 天気(午後) 最低気温 最高気温 風速(午前) 風速(午後) 雨量(前日18時〜当日18時)
吹雪  吹雪 −4.2℃ −2.7℃ 北西20m 北西12m 計測不能

南岳小屋から一斉下山!
というわけではありませんが、
今日中に下山しなければならない人たちを先導して途中まで降りてきました。

昨日からの吹雪は夜の間も吹き荒れて、
南岳周辺では10〜30cm、標高2300mの涸沢でも5cmの雪になったそうです。
昨日の「大キレットへの警告」を掲示した意味をなさないほどの大荒れです。
 (大キレットなんて行けるわけがないほどの大荒れという意味です)

私がこの小屋に来た1997年も9月末から断続的に雪の降る、荒れた秋でした。
その年には氷河公園へ至る横尾尾根上で2名が滑落して死亡。
南岳新道を下った登山者が雪でルートを見失って行方不明になりました。
 (この行方不明者は1週間後に捜索ヘリによって無事に発見・救助された
          その詳細は翌年のヤマケイの秋号に特集で掲載されています)

小屋の営業中にこれだけの雪になったのはそれ以来です。
昨日書いた立山の事故が89年、上記大雪が97年、そして今年の06年・・・
つまり10年に一回は秋真っ盛りのこの時期にもこれだけの雪が降るということです。

今回のこの雪はけっして珍しいことでもなんでもない、
常にその可能性は頭にいれて10月の登山は計画すべきということです。
もし、山岳関係者で今回のこの雪を「未曾有」 「前代未聞」などという人がいるとすれば
たいへん愚かなことだと思います。

今回もたまたまその大雪が3連休と重なったために各地で悲劇が起こってしまっただけ。
まあ、この大雪は予測されたものなんですけどね。

丸木橋(2850m)

木道(2700m)
そんなわけで小屋には停滞して連泊する人も多かったのですが、
下山しなければならない人もいるわけで、
そういう人には「横尾尾根は危険、南岳新道を下りるように」と指導したものの、
一旦下った人が戻ってきた。
どうやら想像以上に荒れている様子、それに加えて雪で道が分からないらしい。

97年の行方不明事故のこともあったので、
「下る人は10:30になったら先導しますので、一斉に下山しましょう」ということになったわけです。

実際に出てみると、確かにこれは普通の人には無理だわ!って感じ。

当初は上記「丸木橋」付近(標高2850m)まで行けばあとは大丈夫だろうと思ってたけど、
想像以上に雪は多く、かつ標高の低いところまでしっかりと付いていた。

なので、木道(標高2700m)までお送りして来た次第です。

思いがけずに雪山トレッキングとなりましたが、面白かったですね。
重ねて言いますが、私は冬や雪が大好きです。
だからこんなにはしゃいでいるのをご了解ください。
 
はしゃいでると言うと・・・

午後、お客さんも誰も来ないので暇を持て余したバイト君が
おもむろに玄関脇の1mほどの吹き溜まりで暴れ始めた・・・

どうやら雪洞を掘っていたらしい
このアホ、今夜は「ここで寝る!」と豪語しています