10月7日(土)


天気(午前) 天気(午後) 最低気温 最高気温 風速(午前) 風速(午後) 雨量(前日18時〜当日18時)
吹雪 -2.0℃ 0.2℃ 北西20m 北西15m 10mm

今朝は雨氷(うひょう)。

雨氷とは上空より地上の気温が低く、氷点下となった場合に起こる現象です。
下界では春先にときどき起こる現象のようですが、この辺ではこの季節に時々起こります。

今回の場合は関東沖を通過した低気圧が北から寒気を巻き込んだものの、
上空にはまだその低気圧が残した暖気が残っていたために
「空から降ってきたのは雨、でも地表は氷点下」だったので、
こんなふうに草や岩に氷が付着したのです。


霧氷とは違うクリスタルのような輝き、まさに自然の作り出す美しさです。
寒い中、雨が降ってるのにあちこち散歩してしまいました。

もちろん登山道もツルツルです。
今朝は水道管が凍結してしまい、その処理のために外へでて石垣を登るろうとしたときに
ステンッと転んでしまいました。

その後は・・・
お天気は冬型へと変わりつつあり、雨が雪に変わり、
折からの暴風とあいまって吹雪きとなっています。

夕方には気温もぐんぐん下がって、雪も積もっていきます。

小屋の前

テント場

なんだかワクワクしますね。
個人的に「冬」・「雪」が好きなのと、
明日の朝がどんな風景になっているのか想像するだけでワクワクします。
南岳小屋の営業中に本格的な降雪となったのも3年ぶり。

それと久しぶりに秋山の厳しさを見せつけてくれた自然にちょっと安心したのです。
最近は穏やかな天候の続く秋が多く、
どうも一般登山者は秋山を甘く見すぎている傾向を感じます。
夏とさほど変わらないような装備や服装で「寒い、寒い…」と震える登山者を
見かけることがけっして珍しいことではないのです。
たまにはこういうふうに「ガツンッ!」と一発雪でも降って、
秋山の厳しさをわかってもらったほうがよいと思うのです。

立山で大量遭難(凍死で8人死亡)があったのは1989年の今頃、もう20年近くも経つんですね。
あの気象遭難事故を風化させまいと、何度かこのHPでも秋山の怖さを説いてきたものの、
穏やかな秋空ばかりが続いてて、空回りしていたようなので今年はそういうことに触れていなかったですからね。

とはいえ、あさってにはすっかり天気も回復してしばらくは安定した秋空が広がりそうです。
そうなると再び秋の素晴らしさいっぱいの山が待っていそうです。

秋山はとにかく「的確な天候判断」、この一言に尽きると思います。
 


今日の夕方、小屋の玄関とキレット入口に貼った貼り紙。

まあ、この時期の雪は晴れればすぐに消えますからね。
雪が解ければ、また夏と同じキレットが戻ってくるでしょう。