8月22日(火)


天気(午前) 天気(午後) 最低気温 最高気温 風速(午前) 風速(午後) 雨量(前日18時〜当日18時)
晴れ 9.7℃ 12.2℃ 南東2m 南4m 23mm

今朝は比較的良い天気、槍も穂高も笠もよく見えた。
しかし依然として大気は暖かく湿っぽい。

予報通りに昼前から雨が降りだした。
とはいえ、降りっぱなしではなく降ったり晴れたりという感じ。
相変わらず不安定な天気です。
でも今日も山は見えたし「良し」としましょう。
 
今日、感心したこと
 
今朝あらかたのお客さんを送り出し朝食を食べたあと、
トイレに行こうとすると洗面所の脇に大きな忘れ物があった。

大きなビニール袋にどっさりと入ったゴミでした。
コンビニ袋のちょっとしたゴミを部屋に置いたままの人ってのはけっこう多い。
そんなものまでいちいち気にはしませんが、
今日のは大きなゴミ袋に生ゴミやらプラゴミ・空缶・その他・・・
どっさり満載のゴミです、この小屋で一日に出るのと同じくらいの量のゴミ。
それを洗面所の脇に隠すように置いていました。

これは明らかに確信犯だね。
幸いなことにそのゴミの中に見覚えのあるゴミがありました。
とある10人グループが食事のさいに食堂へ持ち込んでいた副菜の入っていたビンです。

最近はすっかり性格も丸くなった私ですが、さすがに頭の血管が5本ほど切れた模様。
そのゴミをガシっとつかみ、サンダル履きのままキレット方面へ走りました。
重ねて幸いなことにそのグループは獅子鼻から1分ほど下ったところにまだいたので、
「森◎さ〜ん、忘れ物〜!!」と少々引きつった笑顔で忘れ物を届けることができました。
たいへんな忘れ物を小屋で保管する事態にならずにホッと胸をなでおろしました。

表題の感心したことというのは、この10人グループが北鎌尾根を登ってきたということ。
北鎌尾根とは北アルプス縦走の最終章とも言うべき部類のルート。
体力・技術はもちろん精神的にもマナーの面でも完成された人が行くところだと思っていた。

それがこんなモラルの低い人でも行けるような簡単なところになったのかと
妙に感心した次第です。

ちょっと心配なのはそのグループが
再びそのゴミをキレットのどこかに遺棄していないかということ。
さすがにそこまで恥知らずな登山者がいるとは思っていませんが・・・


久々に吠えたついでにもう一点。

この夏は好天続きのせいか夕方遅く着くお客さんがたいへん多い。
別にそれをとがめるつもりはありませんが、
得てしてそういうお客さんはヘトヘトになって小屋にたどりつく。

先日、槍ヶ岳山荘の診療所に来られた先生が帰りに南岳に一泊していき、
同じようなことを仰っていた。
先生が診療所にいた3日間でそのように無理してヘトヘトになって
診療所を訪ねる人が大変多かったそうです。
そういう人に「なんでそんなに無理して山登るんだ?山は楽しむために来てるんだろ?」
と諭していたそうです。

体力のある人が通常なら2日かかるコースを1日で縦走してきて、
夕方遅くに着いても美味そうにビールを飲む、それはそれで構わないと思う。
自身の体力相応の登山を自分の力量を的確に判断しての行動なんだから。

問題なのはガイドブックのコースタイムを鵜呑みにして、
予定の何時間も余分にかかって、夕方遅くに疲れ果てて小屋に到着する人たち。
「なんでそこまで無理して歩く?」と私も思います。
そういう人のほとんどは疲れ果て、ろくにご飯も食べられずにただ眠るだけ。

けっして安くはない8500円の宿泊料。
どうせ払うならもっと楽しく有意義に時間を過ごすために
早い時間に小屋へ着くように計画すればいいのにと、受付しながらつくづく思います。

ビールを飲んだり、コーヒーを飲んだり、
晴れれば獅子鼻から穂高を眺めて、ガスれば他の登山者とお話をして、
そうやって過ごすほうがよっぽど楽しいと思うし、
体力の低下した・お歳を召した方ほどそうすべきだと思います。

「山小屋には午後3時までには到着するようにしましょう!」
やはりこれが常識です、安全面でも、自身の心身のゆとりという面でも
無理な計画は自分が辛いだけですから。