10月15日(土)

小屋閉め作業もいよいよ大詰め。
冬戸が閉められ薄暗くなった小屋内で
冬の間、雪の重みに小屋が潰されないように
サポート(つっかえ棒)を立てていきます。

このサポートを外して、
倉庫にしまい込んだのが4ヶ月前。
再び立てながら、その4ヶ月前が
遠い昔のような気がしました。

 (今日も撮影は昨日と同じく
   槍ヶ岳山荘元アルバイトの柄沢君です)


今年の南岳小屋のシーズンも幕を下ろそうとしています。
今年、初めて南岳まで雪堀りに来たのが5月8日。
今日までの5ヶ月という月日は長かったような気がします。

いろんなことのあったシーズンでした。
増築工事の関係もあって、普段の2倍も3倍も働いたような気がします。
正直言って疲れました。
でも楽しかった、充実感のあったシーズンでもありました。

そして、今年感じたことは
この小屋が「人の集う山小屋」になったなあ、ということ。
毎年登ってきてくれる人。
いつもHPを見てて、ここに来るのをここからの景色を見るのを楽しみに登ってきた人。
このシーズンだけで2度も3度も、中には4度も5度も登ってきてくれた人。
晴れて景色が見えるまで2泊でも3泊でも待つ人。
ここからの景色から去りがたく2泊も3泊もしてしまった人。
登山に来たのではなく、ここへ遊びに来てくれた友人・知人・元アルバイト。
たくさんの人がこの場所へ来ることを楽しみにして、
たくさんの人の喜びと笑顔に溢れたシーズンだったと感じた。
ひいき目なしに素直に実感した、これまで感じたことのない感覚です。

縦走の通過点あるいは荒天時の逃げ込み先でしかなかった南岳小屋が、
思い上がりかもしれませんが 「 目的地 」 に成長したような気がしたシーズンでもありました。
「南岳」というこの場所が「目的地」たる素質は十分にある地だとは思ってた。
ただそれが認知されていなかっただけのことで、
自分に課された仕事はこの山の良さを世間に広めることだと思ってやってきた。
それが獅子鼻や常念平で山を眺める人たちの笑顔で実証されたのが嬉しかった。

もちろん100%の人に100%の満足を与えるにはほど遠い現実もあります。
また来年、そしてまた翌年…、その数字が少しでも100に近づくように、
そしてたくさんの人たちの目標の地として、訪れた人たちの笑顔が見れるように頑張らなくてはいけませんね。


さて、いつぞやお届けした「2005年の総集編」。
「春〜夏の始まりまで」だけお届けしてそのままになっていました。
続いて 「夏編」 です。
さあ、あなたは写っていますか?
 こちらからどうぞ ⇒⇒⇒