天候 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量(前日18時〜当日18時) | 風向・風速 | 気圧 |
霧時々雨 | 10.2℃ | 8.5℃ | 22mm | 南西 14m | 706hp |
今日は強い風に雨の混じるあいにくのお天気。 そんななか、遭難発生の報を受けて大キレットへ向かった。 現場は長谷川ピーク。 過去にもたくさんの命を奪った場所であり、昨年7月にも全く同じ場所で300mほど滑落した人が家族の願いで捜索したところ3日後に遺体で発見された場所。 ただ今回は50mほど滑落した時点で運良く止まり、自力で歩けるとのこと。 しかし現場は劣悪な急斜面で身動きできないらしく、涸沢の常駐隊基地から現場近くまでヘリで飛んだ隊員が長谷川ピークから懸垂下降して現場に向かい、登山道に引き上げる作業のセッティングをしている時に合流した。 普通の遭難事故なら相当困難な作業になるところだけど、手足の骨折がないということで30分ほどで難なく引き上げ完了。 本人は打撲や擦過傷はあるものの元気でなによりでした。 遭難者と隊員はそのまま北穂側の「A沢のコル」へ向かい、 そこから本谷カールをヘリの飛べそうなところまで下降するとのことで、 私は本隊と別れて小屋に戻りました。 最近はヘリによる迅速な救助が各地で実績をあげていますが、 今日のような悪天時でしかも視界の利かない標高の高い山の上では人力に頼らざるをえません。 今日も現場に出動した隊員は8名、それ以外に涸沢の基地で無線中継する人、ヘリのパイロットや運行に携わる多くの人。 ひとつの不注意がたくさんの人に迷惑をかけるのです。 天気の悪い時は危険な行動は避ける。 やむをえず、そういう日に行動するときはいつもより一層慎重に。 この鉄則を忘れずに。 人に迷惑をかけるだけではなく、 痛い思いをするのは他でもない自分自身ですからね。 |